今回、海の間近まで行ったのは、
二日目の土曜日。
その日は、波が高く、台風の影響。
いつもの最適な場所、
テトラャbトがある場所、
井戸川の水が海に流れる場所、
誰もいず、まっすぐ太平洋が見られる場所、
水平線が曲がって見える場所、
後ろに山を控える場所、
上に空がある場所、
左は鬼ヶ城、
右は獅子岩、七里浜海岸が続く場所、
両側で、波が砕ける場所、
コンクリートでできた突堤、
そこにいて、
写真は右側、新宮方面の海、
写真でかすかに映る半島は串本あたり。
熊野の民が来て、
「台風の時はテトラャbトから5メートルはしぶきがあがる」、
という。
「子供の時は、あの獅子岩のてっぺんまで登って遊んだ」
という。
「転勤先だった茨木の海も同じ太平洋だが、波が違う」
という。
「今は大阪で、明日は花火見ずに帰る」
という。
「7時(あと少し)に、追善供養の花火が獅子岩前であがるから、見てくれ」
という。
こんなに荒れた海は初めてだったので、
携帯をななめにして、水平線を非水平にしてみた。
見飽きることなく、
かなりの時間、
海を見ていた。
風があり、
潮の匂いが、
かなりした。
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夜、永井荷風の特番(30分、NHK教育)を見る。
荷風の散歩の様、
浅草、ストリップ劇場の楽屋で、
踊り子らとくつろぐ様。
ただのスケベとは番組的に言えないのだろうけれど。
荷風の小説で、映画化もされている「墨東綺譚」に、
荒木経惟が自著で賛美していた。
僕が知るのは、1990年代の、
津川雅彦が主役をやっている映画のみ。
エロス。
熊野の町を歩くにしても、
男衆は男衆。
女衆は女衆。
若い衆は、若い衆。
熊野の激しさは、
同時にひどくエロティックで、
死生がそのまま剥きだしの姿で、
迫ってくる。
そのことと、
「墨東綺譚」への賛美を示す荒木経惟の動きは、
同一である。
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