kotoba日記                     小久保圭介

言葉 音 歌 空 青 道 草 木 花 陽 地 息 天 歩 石 海 風 波 魚 緑 明 声 鳥 光 心 思

みんな黙っているけれど

2022年04月08日 | 生活詩

         

 

みんな黙っているけれど

言いたくてしょうがないんだ

でも言えないんだ

 

みんな黙っているけれど

聞きたくてしょうがないんだ

何から聞けばいいのか判らないんだ

 

みんな黙っているけれど

怒りが消え始めたことは言えないんだ

問題意識も興味も薄れてきたことは言いたくないんだ

生活を言い訳にして

 

みんな黙っているけれど

思うことはたくさんあるんだ

でもそれが何の足しにもならないことが判るから

『沈黙は金』だと思ってごまかすんだ

 

言ってみたい

間違ってもいいから

言ってみたい

批判されてもいいから

言ってみたい

混乱興奮してもいいから

言ってみたい

でも言いかけることもできず

口を閉ざす

みんな黙っているけれど

どうしたらいいのか判らないんだ

みんな黙って

味噌汁を飲んで

言うんだ

「おいしいね」

世界が

味噌汁みたいだったら

いいのに

と思っても

みんな黙っているんだ

『世界』とか『平和』とか

禁句ばかりの暮らしの中で

わたしたち

沈黙は金を

大事にかかえ

二時間後のことを

考えている

今 何かが起きていようとも

何もなかった顔をして

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 破壊と再生 そのくりかえし | トップ | 若草、よもぎ、うぐいす色 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿