新型コロナウィルスの流行「第6波」の到来に備え、厚生労働省は9月25日までに医療提供体制の見直しに着手した。
第5波では自宅療養中に亡くなる人が各地で相次いだ。
このため既存の医療機関に病床確保を求めるだけでなく、体育館などを利用した臨時医療施設の拡充にも力を入れ、第5波を超える感染拡大にも耐えられる体制を目指す。
ただいずれも必要な医療人材の確保が要となる。
第5波の反省を踏まえ、誰もが必要な治療を受けられるよう、実効性のある対策が打ち出せるかどうかが焦点だ。
第5波の新規感染煮政ピークは8月20日の約2万5800人。
各都道府県は、新規感染者が第3波のピーク時の2倍になっても対応できるように備えていたが、想定の3倍を超える地域もあった。
厚労省は9月14日、都道府県などに対し、コロナに中長期的に備えるため医療体制を再検討すると通知。
ワクチン接種が先行した諸外国でも感染者が増加しており、感染拡大が今後も反復すると指摘。
通常医療との両立を図ることを重視した。
具体的には、病床数の上積みに加え、既存の病院に代わって患者の治療ができる臨時の医療施設や、酸素ステーションなどの入院待機施設を整備する。
自宅療養者の健康観察や急変時の搬送体制を平時のうちから強化する。
人材確保策では、外部人材の活用や派遣元と受け入れ先との調整、人材育成などの仕組みをあらかじめつくるよう要請。
病床確保や人材派遣への協力を正当な理由なく拒んだ場合、病院名を公表できる改正感染症法の規定活用の検討も求めた。