東京都内で昨夏以降、夏風邪の原因となる「エコーウイルス11型」に感染した新生児3人が死亡していたことが、国立感染症研究所のまとめで分かった。
専門家によると、このウイルスによる複数の死亡例は珍しい。
欧州でも2022年以降、新生児の死亡が複数報告れており、厚生労働省は自治体に協力を求め実態調査に乗り出した。
エコーウイルスは夏風邪の原因となる「エンテロウイルス」の一種で、潜伏期間は3~6日程度。
自然に治るケースが多いが、まれに髄膜炎や心筋炎、肝不全などで重症化することがある。
感染研などによると、都内の医療機関で昨年8~11月、生後5~8日の新生
児3人が黄疸や嘔吐などの症状で入院後に急性肝不全などを発症し、生後60日以内に死亡した。
3人からは同ウイルスが検出された。
日本小児科学会は2024年12月、全国の医療機関に注意喚起した。
また厚労省はこのウイルスの症状が十分に解明されていないとして、2月6日付で国内の重症や死亡例の実態を調ぺるため、全国の自治体に事務連絡を出した。
生後3ヵ月以下の乳児で、敗血症や髄膜炎などの重症感染症の症状が見られるなど同ウイルスの感染が疑われる場合、医師は保健所に届け出るよう求めた。
期間は2026年3月まで。
神戸市立西神戸医療センターの松原小児科部長は「生後1~2週間以内の新生児は重症化しやすいので特に注意が必要だ。
便中に排せつされたウイルスによる感染が多い。
アルコール消毒の効果はないため、家庭ではせっけんを使った手洗いなどで対策してほしい」と話している。
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