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首相、敵対心あらわ 自民党大会で「民共勢力」「無責任」

2016年03月15日 | 政党

安倍首相は3月13日の自民党大会で、夏の参院選に向けた民主、共産両党などの野党共闘に批判のボルテージを上げ、敵対心をあらわにした。

「民共勢力」との言葉を使い、政策の一致を無視した「野合」にすぎないとの印象づくりで対抗しようと躍起だ。

野党5党が国会提出した安全保障関違法の廃止法案にも反論。

夏の政治決戦をにらみ「選挙モード」を前面に打ち出した。

これに対し民主党の岡田代表は、戦いの構図を「自公対『国民の良識』だ」と位置付け、反発した。

「共産党の目標は、自衛隊の解散、日米安全保障条約の廃棄だ」。

首相は党大会での演説で、こう断言。

民主党が共産党と連携を強め、安保法廃止へ突き進めば、日米同盟が損なわれるとして危機感をむき出しにした。

同時に、日本を取り巻く厳しい安保環境の中で、抑止力が「大きなダメージを受ける」と強調。

民主、共産両党について「無責任」だとなじった。

安保法に反対する世論を追い風に攻勢を強める野党の動きに、揺さぶりを掛ける思惑がある。

夏の参院選に合わせて衆院選を実施する衆参同日選の可能性が取り沙汰されている政治情勢も逆手に取り、「自公」か「民共」かの政権の枠組み選択を国民に求めようとの狙いがあることも間違いない。

自民党大会で採択された運動方針は、衆院議員らに「常在戦場の心構え」を要請。

演説の一部で首相は「今年の戦い」と参院選に限定しない言い回しを選んだ。

公明党幹部は「同日選になるかもしれないという雰囲気を醸し出しておくことは選挙戦略上、重要だ」と指摘する。

衆院選では共産党との協力に及び腰の民主党をけん制するのに都合がいいとの認識だ。

一方、野党側は3月13日、首相の「無責任」発言を非難した。

民主党の枝野幹事長は新潟県新発田市で記者団に「そっくりお返ししたい。 そもそも自民党と連立を組む公明党では憲法観が全然違う」として、連立与党内に基本政策や価値観に大きな違いがあると指摘した。

岡田氏は札幌市で、政府が6月までに支給する低年金高齢者への3万円の臨時給付金を取り上げ「参院選直前に配る恥も外聞もない政権に負けるわけにはいかない」と語気を強めた。


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