安倍首相は2月2日の参院予算委員会で、同盟国による先制攻撃をきっかけに生じた事態でも、武力行使の新3要件を満たせば日本の集団的自衛権行使を排除しないとの認識を示した。
民主党が「密接な関係がある他国が先制攻撃をした結果、相手側から武力行使を受けた場合も必要条件を満たすか」と質問したのに対し「3要件を満たすか否かの中で判断する」と述ぺた。
行使する際に地理的制約を設ける必要はないとする考えを表明した。
「密接な関係にある他国」は一般的に、同盟関係にある米国などを指す。
大塚氏は政府が進める安全保障法制の整備に際し、同盟国による先制攻撃の場合は「いかなる理由があっても日本は手助けしないと明確に意思表明することが世界から紛争をなくすための貢献になる」と主張した。
これに対し首相は3要件に盛り込まれた「日本の存立が脅かされる」などの事態は「看過すべきでないというのが基本的な考え方だ」と原則論を展開。
3要件について「集団的自衛権を行使する国々でも厳しい(内容だ)」と述べ、行使基準は厳格だと強調した。
地理的制約に関しては「地理的にどこだからそれが当てはまらない、近くだから当てはまるということではないと思っている」と説明した。
日本への原油輸送ルートのホルムズ海峡が機雷で封鎖された場合、集団的自衛権行使による掃海に前向きな姿勢を重ねて示したものとみられる。
公明党は停戦合意前の掃海に慎重で、今月から本格化する自民、公明両党による与党協議の焦点の一つと位置付けられている。
(武力行使3要件)
憲法9条下で集団的自衛権の行使を認めるため、従来の「自衛権発動3要件」に替わり、政府が昨年7月に閣議決定した憲法解釈変更の根幹。
(1)日本や密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存在が脅かれ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある
(2)日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない
(3)必要最小限度の実力行使にとどまる
場合に武力行使は憲法上許容されるとした。
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