日中戦争中の強制連行被害者らが日本企業に損害賠償を求めた集団訴訟を中国の裁判所が受理し、中国政府も支持を表明したことで、日本企業から警戒の声が上がっている。
一部企業の間では、中国側との新たな取引を抑制して「次の出方を見守る」(日本企業関係者)動きも出ている。
原告側によると、中国で4万人弱の強制連行に関わつた日本企業は39社。
うち20社以上が存続しているとされ、訴訟対象が現在の三菱マテリアルと日本コークスエ業(旧三井鉱山)の2社から拡大する可能性は高い。
中国の裁判所は共産党の指導下にあり、原告勝訴は確実視されている。
判決に従わなければ、中国で活動中の企業は資産差し押さえのリスクに直面することもあり得る。
昨年7月、韓国の高裁で日本企業に賠償命令が下され、習近平指導部が参考にしたのは確実だ。
今後、安倍首相の歴史問題などでの言動を見極めながら、訴訟の取り扱いを政治的に利用する構えだ。
しかし、民間賠償請求は共産党批判の呼び水になる危険も秘めている。
党が朝鮮戦争や中越戦争、大規模政治運動「文化大革命」などの被害者に対して補償をほとんど行つていないためだ。
「庶民の権利意識が急激に高まる」(中国人研究者)中で、習指導部は不満や怒りの矛先を党に向かわせず、日本に限定するため、訴訟対象を制限するとみられる。
中国では2000年ごろにも民間対日賠償請求の動きがあったが、当時の指導部が訴訟を認めなかった。
世界第2位の経済大国となった現在、「日本の重要性は低下した。 習指導部はもう遠慮する必要はない」と認識しているのだろう。
中国は、外交の切り札に「民間対日賠償請求」を出してくるだろう。
日本政府は毅然と対応すればよく、日本企業を支援すればよいだけである。
日本企業は早く中国から撤退すべきである。
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