木原防衛相は10月4日午後、米ワシントン郊外の国防総省でオースティン国防長官と会談した。
日本が米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入を始める時期を1年前倒しし、2025年度とする方針で一致した。
他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)の整備を急ぐ狙いがある。
日本の防衛力強化の加速により、周辺国との軍拡競争が激化しかねないとの懸念も強まりそうだ。
トマホークは海上自衛隊のイージス艦に搭載される。
政府は従来、最新型400発を2026年度から2年間で取得する方針だった。
会談では、このうち最大200発を旧来型とし2025年度から導入すると確認した。
防衛省によると、射程約1600キロなどの性能はほぼ同等だという。
木原氏は会談後、記者団に「厳しい安全保障環境を踏まえ、前倒しする必要があると判断した」と強調。
中国の軍事動向が念頭にあるとみられる。
2026年度に一部の配備を目指して開発している国産の長射程ミサイルも「より早期の取得開始に向けて検討を進めている」と明らかにした。
両氏の対面会談は木原氏の就任後初。
反撃能力の効果的な運用に向け、日米同盟の役割・任務・能力に関する議論を加速化させると確認した。
ロシアとの協力を含む中国の軍事活動の活発化を受け、日米連携をこれまで以上に強化すると申し合わせた。
台湾海峡の平和と安定の重要性を共有し、沖縄県・尖閣諸島が米国の防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用対象だと確認した。
オースティン氏は、日本の反撃能力保有や防衛費増額などに触れ「大胆な決断を支持する」と表明。
米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」は「揺るぎない」とした。
両氏は、日米韓で年末までの運用開始を目指す北朝鮮ミサイル情報の即時共有をはじめ、3力国の防衛協力を推進する考えでも一致した。
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