厚生労働省は11月24日、医療機関の経営状況を調べた2020年度の「医療経済実態調査」を公表した。
一般病院の1施設当たりの利益率は6・9%の赤字で、2019年度に比べ3・8ポイント悪化した。
新型コロナウイルス感染拡大による受診控えが響いた。
コロナ関連の補助金を含めると0・4%の黒字になり、厚労省は「利益率の悪化を補助金で支えた」と分析している。
調査は2年に1度実施し、医療サービスの価格を決める診療報酬改定の基礎資料となる。
年末の予算編成に向け、政府、与党内の議論が本格化する。
補助金は一般病院で1施設当たり平均約2億3800万円支給されていた。
一般診療所、歯科診療所、薬局は2019年度より悪化したものの、いずれも黒字を維持した。
財務省は、高齢化による医療費膨張を抑えるためマイナス改定を主張。
医療団体は「補助金頼みの経営は不安定」と訴え、医師や看護師の収入に直結する本体部分のプラス改定を求めている。
運営主体別では、医療法人が運営する民間病院は0・1%の黒字(2019年度比1・7ポイント減)。
不採算医療を担う国公立病院の赤字幅が大きく、特に公立は21・4%の赤字(同7・2ポイント減)で、コロナ補助金を含めても7・3%の赤字だった。
病院の医療従事者の平均年収は、病院長が約2690万円、医師が約1468万円、看護職員は約506万円だった。
診療報酬は、医師らの技術料に当たる「本体」と薬の値段の「薬価」で構成される。
12月の予算編成で報酬全体の増減を示す改定率を決め、手術や検査などの個別価格を来年4月から変更する。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます