我が家から5番目に近い銭湯。一番近い風呂は町内にある「宝泉湯」だ。実は町内には、3軒の銭湯がひしめいている。いずれも、それぞれ特徴があり、愛すべき銭湯たちだ。今回はそのご近所の風呂をすっ飛ばし、我が家から5番目に近い「HOTランド みどり湯」へと自転車を走らせた。
北本通りから脇道に逸れ、細い路地を行く。志茂の川沿いの町はなかなか風情があり、ちょっと散歩するだけでも楽しい。古い町なのだろう。ちなみに志茂にも2軒の銭湯がある。東京都北区は銭湯がまだまだ多く残っているのだ。
地域性があるのだろうか。豊島、神谷の銭湯は古風な銭湯が多いが、志茂の2軒の銭湯はモダンである。その一軒「テルメ末広」は、その名の通り、モダニズム銭湯の最前線を行く。SNSにも力を入れ、全方位的に発信もしている。今回お邪魔する「HOTランド みどり湯」も、名称が示す通り、旧態依然とした銭湯からの脱却を志向した。
実は「みどり湯」、それほど期待をしていなかった。「HOTランド」が示すとおり、中途半端な脱却なのだろうと。いや、ともすれば、バタ臭さすら感じてしまうネーミングである。ところが、そうではなかった。浴場のレイアウトが自由で斬新なのだ。関東地方の伝統的な銭湯は、浴場奥に大きな浴槽が2つ並列する。建て替えた銭湯は浴槽を増やし、いくつもの湯が楽しめるように工夫をされているものだが、それでも円形の浴槽はあまり見ない。「みどり湯」の楕円の浴槽は浴場のほぼ中央にあり、それが一種シンボリックなイメージを演出しているのだ。
これがなかなか素晴らしい。
浴槽は全7。そのうち2つが露天。区内には3つの銭湯が露天を持っているが、恐らく区内最大級の露天ではないだろうか。ともかく、浴場が広いのでリラックス度は高い。ゆっくり体をほぐすことができる。
これは後で知ったのだが、男女の浴場でレイアウトが違うらしい。2週間毎に入れ替えになるとのこと。だから1粒で2度おいしいということ。これも楽しみだ。
東十条の「やなぎ湯」と同じように、湯上がりの生ビールが楽しめるようだ。小さいながらもパワフル。エンターテイメント性の高い銭湯である。
湯上がりに着替えていると、常連らしいお客が番台のおじさんと挨拶を交わした。
「これから一杯やってくる」とお客さん。「『いこい』に?」とおじさん。赤羽に近い銭湯ならではの光景である。
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