振り向いてみると。
振り向いてみると。
飛光のような涙がこぼれ落ちるように。
頬に触れてみる。
飛光のような涙は幾度もここをつたっていった。
そんな気がする。 . . . 本文を読む
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ハイボールにはミントの葉。
梅雨明けが待ち遠しい東京駅地下の風にこの清涼感は心地よい。
「ウィスキーはお好きでしょ」。
一抹の爽やかな風が吹いてくるように。
アイスピックで丹念に作られた氷がグラスに転がる、チリチリと強い炭酸が口元ではじける音が気持ちいい。
ボクだけの時間。
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名古屋の文化は独特である。
どれをとってもオリジナルだし、どこにもそれは真似できない。それはありとあらゆるものにその文化の歴史を感じ取ることができる。
ある部分では洗練されているが、理解できないものも少なくない。
だが、このお店はその逆だった。
どこをとってもオリジナルのものは見られず、あらゆるものは模倣だった。
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映画「グラン・ブルー」でジャン・レノ演じるエンツォが家に帰り、豪勢な食事をとるシーンがある。イタリアの食事のボリュームにも驚いたが、それよりもゆっくりと時間をかけ、おしゃべりをしながら食事を愉しむというイタリア人の食時観に衝撃を覚えた。食事とはこうありたいと思ったものである。
「俺のイタリアン」もひとりでワイングラスを片手に過ごす店ではない。 . . . 本文を読む
自分の文章は沢木耕太郎に影響を受けていると思う。今はそれほどでもないと思うが、10年くらい前の文章を読み返してみると筆致はかなり似ている。 沢木の「敗れざる者たち」が大好きだった。 あのひたむきであり一途であり、情熱に充ちた筆致が。 奇しくもこの本を読んだ5月25日はキャパの命日。 その偶然にも愕然とした。 . . . 本文を読む
選ばれし者だけが入れる店とでも言おうか。どん底を知る者だけが店に入ることを許される。もし、そうでない者が店に入ろうとしたのならば、店の入口の前に金の斧を持ったヘルメース神が現れ、きっとその者にこう言うに違いない。「この斧を落とした者はお前たちか」。すると、どん底を知らない男は「そうだ」と答える。その瞬間、ヘルメース神は財布やらカバンやらお土産などを雲散霧消させてしまうだろう。ここでは、金の斧を持っていると自負する者は入れない。 . . . 本文を読む
店内のBGMは懐かしいJポップ。
「だけど好きよ 好きよ 好きよ 誰よりも好きよ。世界がふるえるほどにいつか。この鳥かごをこわして」
アレンジは武部聡史だったか。ホッピーが甘く感じる。 . . . 本文を読む