札幌から那覇まで、まさに充実の1年だった。
店舗数61。総計71回の放浪は昨年の居酒屋訪問の数字である。
実に5日に1回、飲みに行った計算だ。3月に子供が生まれながらも…。
06年のキーワードは「ひとり飲み」と「立ち飲み屋」だったと思う。
ひとり飲みは26回。立ち飲み屋の訪問は17軒。
当ブログを始めた当初とは明らかに飲み方が変わってきた。
これを「成長」というのか、はたまた「偏屈 . . . 本文を読む
「居酒屋 けんちゃん」(居酒屋放浪記NO.0107)に行った翌日、会社でK山さんに愚痴を言った。
「あそこ、全然立ち飲み屋じゃなかったよ」。
もっとも、K山さんに文句を言ってもしようがないのだが、とにかくお店に来訪した感想を言おうとして、ついつい愚痴っぽくなってしまったのだ。
「へぇ」というK山さんの言葉にかぶって、隣の席のA藤君が口を挟む。
「熊猫さん、酒屋がやってる立ち飲み、ご存知で . . . 本文を読む
バスから降りたわたしはとにかく空腹だった。
なにしろ、早朝から何も口にしないまま、昆明までバスに揺られてきたのである。ほぼ丸一日何も食べていない。
だから、昆明の駅前にバスが着いた途端、わたしは近くの屋台で牛肉麺をすすった。
ささやかな夜食を食べ終えて、宿を探すことにした。かつて、泊まった茶花賓館にでも
行こうか、と思ったが、なにしろここからは遠い。バックパックを背負って、そこまで . . . 本文を読む
「この温泉野郎!」
「はいっ、わたくしのことですかっ?」
「少しは、あつ~い温泉にでも入って反省しやがれっ!」
ぼんぼね~ら。
「目にも止まらぬ早業で!投げる手裏剣ストライク!」
「それは『忍者ハットリくん』だろっ」
と、いうわけでやってきました下呂温泉。
岐阜駅からクルマで2時間(親愛なるわが友、ふらいんぐふりーまん師が運転してくれた)。噂に聞く下呂温泉は山奥の秘湯かと思いき . . . 本文を読む
「肉の大山」を出て上野駅へと向かう。もうこの先は上野駅まで立ち飲み屋はないはずである。
マルイの脇道を駅方向へ。周囲はクリスマスに浮かれる煌びやかな装飾と若者たちが入り乱れる。その一方で、行くあてすらなくただただ途方に暮れるホームレスがあちらこちらを徘徊している。
この冬は暖かくて過ごしやすいが、まともな冬なら夜を明かすのも命がけだろう。上野周辺にいるホームレスは東北地方からの出稼ぎ労働者な . . . 本文を読む
いつしか、バスは停車し、乗客がゾロゾロと下車していく。どうやら大理に着いたらしい。
ついつい、寝入ってしまった。隣で寝ているウナと朴さんを起こして、我々もバスを降りた。
すると一緒に降りてきた若者の西洋人に声をかけられた。
「君たちは恋人なのか?頬を寄せて寝てたぜ」。この男は昆明や麗江でよく見かけたヨーロピアンだった。
その言葉を聞いてわたしとウナはお互い顔を見合わせ、ウナはややはにかん . . . 本文を読む
「蒲田行進曲」(深作欣二監督 82年)のチャイムが流れるプラットホームに4年ぶりに降りた。
今晩は、古巣の奴らと飲むのである。
前職を辞してから、もう4年以上の月日が経っているなんて。時が経つのはホント早い。嗚呼、このすえた臭い、蒲田の空気を嗅ぐのは、ホント久々だ。
そして、懐かしき西口の階段の前に立つ。この急勾配の階段は、落ちれば正しく「階段落ち」。おいらは、この階段を約3年に渡って上り . . . 本文を読む
キム・ウナは釜山出身の28歳の子だった。
当時のわたしより2歳ほど年上だった。
どこをどういう風にして長期旅行に出てきたのか分からないが、とにかく、西の果てまで行ってやろう、という気構えに彼女は満ち溢れていた。
ウナは決して美人ではなかったが、とてもチャーミングな子だったと思う。
大理は高地で朝晩ともに冷えるのだが、その度にわたしは「寒い寒い」を連発していると、そのうち彼女もその言葉を覚 . . . 本文を読む
野球の季節が今年もやってきた。
だが、野球の世界にも栄光の道を歩くものと、棘の道程を行くものが、それぞれいる。超高校級投手、田中将大投手(東北楽天イーグルス)やハンカチ王子、斎藤祐樹投手(早稲田大学)は、間違いなく前者である。
一方、プロに指名されながら、意中の球団ではないことを理由に別の進路を選択する選手もいる。
そんな、悲喜こもごもの人生ドラマに、昨秋新たな道筋をつけた選手がいる。
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師走の土曜日出勤。すぐ終わるだろうとタカをくくっていた仕事は18時頃ようやく終わった。
精神的にも身体的にも、この頃が一番辛かった。
仕事が佳境を迎え、締め切りの重圧に酒量が増えた。6日間続けての外飲み。さすがに、昨夜の金曜日は体が重くて、コンビニ弁当を家で平らげた。そう、家には妻も娘もいない。それが、またわたしの心を空虚なものにしているようだ。
会社を出て、JR線の高架沿いを歩く。
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