わたしはポケットに手を突っ込み、冷や酒を飲みながら、東京タワーを見上げる。
行き交うサラリーマンとOLたち。その世界とわたしは今明らかに違うところにいる。
立ち尽くすわたしと東京タワー。まるでわたしは東京タワーとともに立ち飲みをしている感覚に陥った。
東京タワーとともに。 . . . 本文を読む
千住大橋の駅を降りて。
夕闇に紛れながら。
ぼやけた瞳で、のぼったあの日の未明。
この千住大橋を渡り、千鳥足で向かう先にあるものは。
その軌跡をたどりながら、歩くと何故か心がシンクロしているように感じる。
何故ならば、心の中を溢れるようにメロディがかけていく。
人は誰もが罪人なのだろうか。
全て許されることを、最後の瞬間に祈ったのだろう . . . 本文を読む
氷の音がちりちりとしながら、ボクの耳に入ってくる。アシッドジャズがその神経質な氷の音にユニゾンする。掴めそうでつかめないものを握った感触を想像する日々に。なくしたものばかりを数えて、時には落ち込んだりするように。それでもずっと同じ心の中。 ボクは2杯目の「モヒート」に口をつけた。 . . . 本文を読む
さて、そんな中、ボクのカレー旅は本格インド料理ではなく、日本にアジャストさせたインドカレーに焦点をあてて店を探した。 湯島の「デリー」、台東の「ラホール」。 インドの首都とパキスタン第2の都市をそれぞれ冠したカレー専門店。 御徒町・上野界隈のカレーの雌雄を決する、まさに印パ戦争。 . . . 本文を読む
貿易センタービルの駐車場の一角に突然建った「銀だこハイボール酒場」。他の「銀だこハイボール酒場」がそうであるように、ここも立ち飲みスタイルだ。立ち飲みラリー新橋編が終わって、いよいよ浜松町編だと意気込んでいたところ、その店舗のある「ホット横町東京」に行くと、ものの見事に立ち飲みコーナーはなくなっていた。冬季のため、やめてしまったのかもしれない。
だが、屋内のフードコートを思わせる店舗は健在で、ボ . . . 本文を読む
状態がいいときだからこそ、言っておくべきであろう。
カープのトップバッターのことである。
貧打解消のため、4月11日の中日戦から、これまで開幕からトップバッターに据えた丸佳浩を3番に配置、トップバッターには梵英心、木村省吾、そして堂林翔太と日替わりですげ替えた。
この数試合、堂林がいい働きをしているため、結果的に問題が解消したかに見える。
だが、果たしてそうなのだろうか。
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懐かしい。ただただ感じる懐かしさ。
浜松町金杉橋口から第一京浜を渡って、辿り着いた居酒屋「海ぶん鍋ぶん」。
忘年会の幹事、Mっちゃんが予約してくれた店だ。
ボクらは16年前、この店から30mくらいの場所で働いていた。
Mっちゃんが意図して、この店をチョイスしたかは定かでない。けれども、今日来るメンバーのN岡君も含め、以前同じ釜のめしを食べた者同士、こうしてここに元気に戻って来られたことを嬉 . . . 本文を読む
薄く造られた白いイカの身を沸騰した出汁のおつゆに浸すと、少し身が縮こまって白さが際立つ。そう、この瞬間だろうとイカを出汁つゆにつけて食べると、これまで食べたこともない食感が口の中に広がるのだ。イカであってイカでない。つまり、イカ以上でもなくイカ以下でもない。 . . . 本文を読む