「ストレートが来たら初球からガンガンいってやろうと思った」。
投じられた初球はやはり直球。
やや内角のやや高め。
思い切って振りにいくも空振り。その強振に思わず自軍のベンチがどっと沸く。
こうして熊猫の2年3ヶ月ぶりの打席が幕を開けた。
場面は2回裏。2死走者なし。
投手はアーム投げに近い右きき。制球が悪く、球はそれほど速くない。
左打席の熊猫。2球目を待つ。
この回のはじめ . . . 本文を読む
1年半ぶりの渋谷だ。
そして、居酒屋放浪記では初となる渋谷である。
バケツをひっくり返したような雨の中、待ち合わせのモヤイ像を目指した。
相変わらず、騒々しくて。
相変わらず、殺伐としていて。
相変わらず、クレージーで。
尾崎豊が愛した街、渋谷。
その街の風景も、もはや取り返しがつかないくらい、愛の消えた街になったような気がする。
少女があぶく銭のために自分を売っていた街角は . . . 本文を読む
野球の神はわたし熊猫をホントに見捨てたというのか。
前回、この欄で「未だ開幕せず」という状況ををおおいに嘆いた。そして、4月23日にリーグ戦の開幕を迎えるが、わたくし熊猫は愛娘に会いにいくため、試合不参加を表明する、と記したはずである。
その日、16時半頃、羽田空港に着陸した熊猫は、滑走路に降り続く雨を見て、この日の試合が中止になったと確信する。
だが、実際、試合は行われ、我が「マイテ . . . 本文を読む
ほろ酔いの足取りで四ツ目通りを南へ向かった。
実は既に酒を飲んできたのである。
夕方、社長に呼び出されたわたしは会社近所の「村役場」(居酒屋放浪記NO.0053)でキリンラガーを空けた。その社長との打ち合わせを早々に切り上げさせてもらい、今、今pとの約束の場所、「山城屋酒場」を目指し、都営新宿線の住吉駅を出たところなのである。
右手には「山城屋本店」(居酒屋放浪記NO.0029)が見える . . . 本文を読む
今季から広島カープの指揮を執るマーティ・ブラウン監督の守備隊形に賛否が分かれている。
ブラウン監督は自身の経験則から一塁手、三塁手をそれぞれ一塁線、三塁線から1~2mほど2塁ベース方向に寄せて守らせる。それに従い遊撃手、二塁手も2塁キャンバスに寄る形だ(外野のシフトも同様に中堅寄り)。つまり、二遊間が狭くなり、三遊間と一二塁間もこころ持ち狭くなる。
ブラウン監督の中での統計上の考え方だから、 . . . 本文を読む
芝大門にある「つるべ」を訪ねた。
芝明神から第一京浜側に僅か100m。
「魚がうまい」という触れ込みで、以前から行ってみたかったお店だ。
お店の看板にはこうある。
「旬珍魚丸楽食処」
おぅ、これは期待できる。
魚出すとこに銘酒あり、と。
しかも、カウンターだけの店内はいつも賑わっていた。何度かお店の前を通りかかり、その盛況は居酒屋好きを奮いたたせた。
こうして、雨が降りそぼる晩 . . . 本文を読む
不本意だねぇ。
お好み焼きって自分で焼くから楽しいんでしょ?
それを店員さんが焼いてくれるなんてすこぶる不本意だねぇ。
恵比寿駅前で信号待ちをしている際に、ふと西の空を見やると、「お好み焼き」の文字が目に飛び込んできた。
「いいねぇ、お好み焼き」
連れのBん君も「異議なし」と言う。
つい、10秒前まで、「お好み焼き」の「お」の字も頭になかったのに、それほど唐突に我々はお好み焼き屋さ . . . 本文を読む