十津川警部 「2月14日、あなたが焼津市の某自動車店で取材を終えたのが午後5時5分。それからあなたは、㈱Iサカの社員のクルマでJR焼津の駅まで送ってもらいましたね。駅に着いたのは5時17分くらいでしょうか。
それから、あなたは駅の券売機に向かい、東京行きの新幹線の手配をした。首尾よく6時11分に静岡を発着する『ひかり420号』の指定席が取れた。
さぁ、そこであなたはどうしようか、考えた。駅の窓の向 . . . 本文を読む
四国アイランドリーグの各チーム入団にあたっては年齢制限が設けられていたと記憶する。
確か、その制限は24歳ではなかったか。
一方、北信越チャレンジリーグは何歳なのかと、同リーグのホームページにアクセスしてみたところ、特にそれらしい記述を見つけることができなかった。それならば、所属する選手たちの年齢を閲覧してみることにした。何か傾向が分かるかもしれない。すると、新潟アルヴィレックスに33歳の選 . . . 本文を読む
2月9日、鶯谷にて立ち飲みラリー再開。
しかし、「牛角」の前を通り過ぎた際、焼肉の欲求に負け、ひとり「塩ダレカルビ」を頬張る。
その後連休は山口県で英気を養い、2月12日、再び鶯谷駅南口「ささのや」さんから立ち飲みラリーは再開された。
鶯谷名物、ラブホ街を行く。
しかし、すげぇ。ホテトル嬢を乗せたクルマがあちらこちらに。おもむろに止まったクルマから出てきた女のけばいことけばいこ . . . 本文を読む
翌日、わたしはミニバスを使ってホイアンを発った。
ミニバスといっても、実際は3列シート、8人乗りのワゴン車だ。だが、この小さなワゴン車に実に11人の旅行者が押し込められたのである。車にはもちろんエアコンなどあるはずもなく、蒸し風呂状態。全開にした窓から入ってくるのは、強烈な熱風だった。
そして今、この窮屈なワゴン車が往くひどくでこぼこなこの道路が恐らく国道一号線だろう。
南北に長いヴェト . . . 本文を読む
なんとも言えぬ威厳と風格が店構えに現れている。
大衆酒場でありながら軽さがない。さりとて、おたかくとまっているわけでもない。
そりゃ、そうだ。なにしろ、昭和3年創業の酒場。店構えは、その雰囲気に満ち溢れている。
紺に染め上げられた暖簾が気持ちよい。
ここは十条。十条と来れば、もちろん斎藤酒場だ。
そして、今まさにわたしはその暖簾に手をかけ、戸を開け放とうとしている。
そのわたしは、い . . . 本文を読む
フエのうすら寒い気候にすっかり嫌気がさし、わたしはたったの2日間でフエを後にすることにした。
早朝、わたしは韓飛野さんに別れを告げ、ひとりバスに飛び乗った。
行き先はフエから南にバスで4時間ほどの距離にあるホイアンという村だ。
何故、そこに行こうかと思ったのか、実はあまりよく覚えていない。
恐らく、ホイアンの町全体が世界文化遺産に指定されていると人づてに聞き、行ってみようとバスに乗った . . . 本文を読む
もし、貴方がどこかのお店に入ったとしよう。
しかし、予想に反して店が高級であったり、或いはその逆であったり、いやいや店が騒がしいなど、とにかく貴方の気に入らない店であったときに貴方ならどうするか。
椅子にも座らず、踵を返して店を出るか。
「あっ、予定を思い出した」などと言って、回れ右して店を出るのは相当の強者だ。
或いは、「しまったなぁ」と思いながら、とりあえず、席に着き何か注文してか . . . 本文を読む
ハノイのバスターミナルでばったり会った韓飛野さんと共にわたしは一路フエに向かった。
細長いヴェトナムの国土のちょうど真ん中。古都と言われる町である。
国道の道路事情もとてもよいとは言えず、凸凹道が延々と続き、その度にバスの板バネは悲鳴をあげるように軋んだ。バスは跳ね上がり、文字通り常客は一瞬空を飛ぶ。
ハノイを30分も走ると、すぐに辺りは田舎の風景に変わり、水田の風景が広がる。それから小 . . . 本文を読む
緒戦こそ落としたが、阪神タイガースは今年も強い。
戦い方も万全。ソツのないいい試合運びをしていた。
開幕戦のポイントは4-1でカープのリードの8回裏。一死満塁の場面で金本知憲選手の打席。結果は浅い左飛。結局、後続の今岡選手も三振に倒れ、好機を逃す。
岡田監督の談話。「4番、5番が打てば勝つし、打てなければ負ける」。
一方のカープは金本選手を迎えた場面で抑えの切り札、永川投手を投入。 . . . 本文を読む
ようやく上野駅に到着した、立ち飲みラリー。
いよいよ、上野以北を狙うべく、わたしは新たな一歩を踏み出した。
上野駅の西側、つまり上野恩賜公園側から鶯谷駅方面へと向かう。
東京文化会館を過ぎると、さっきまでの喧騒が嘘のように静まりかえる。辺りには本当に数えるくらいしか人はおらず、街灯の灯りだけで、急に真っ暗になった。
旧寛永寺の表門を目の前にすると、何か薄気味悪さすら感じてしまう。それほ . . . 本文を読む