直方と書いてのおがた。博多から福北ゆたか線線に揺られて一時間あまり。辿り着いた駅は立派だが、人の数がやけに少ない地だった。
駅の構内に駅そばはなかったが、駅を降り、階段を下りるとうどん店があった。
やはり、うどんか。うどん発祥の地博多を中心に、直方もうどんの文化圏らしい。さて、この「東筑軒」に果たして、そばはあるのかなと、店を覗きこんでみると、やはりありました。そば!確かに、東京でも「○○そば」と店名がかぶされていても、だいたいうどんはある。それと同じなのだろうと。ただ、こちらでは、そばよりもうどんの方がメジャーなだけだ。
メニューを見て、「かしわそば」(360円)に決めた。つまり、鶏肉そばだね。
関東ではまず聞かないかしわという言葉が新鮮だ。オーダーの列に並んでいると、ほとんどの人がうどんを頼む中、自分だけ、そば。
そばが少数派だなんて。
しかも、出てきた「かしわそば」に、まずは驚愕する。
なんと澄み切ったお出汁なのか!
そういえば、義父が初めて東京に来て食べたそばつゆが真っ黒だったことに腰を抜かしたという話しを思い出した。そうなのだ。西の方はお出汁が透明なのだ。
澄み切ったお出汁は雑味がなくうまい。かつおとこんぶ出汁のコンビネーションか。透明感のある清々しい味わいだ。九州の北部という地は興味深い。豚骨というこってりとしたラーメンもあれば、うどんは極めて精錬なお出汁でいただく。一筋縄ではいかない文化なのだ。
さて、具材のかしわだが、これもまた面白かった。フレーク状にした鶏肉だったからだ。これは未だかつて見たことがない。九州のかしわとはこのような食べ方が一般的なのか。そっばはゆで麺。それでもこれでたった360円なのだから恐れ入る。
そばはやっぱり奥が深い。
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