「まるます家」の醍醐味は朝である。開店前に並び、朝もはよから、酒を飲む。罪悪感はあるが、店内全ての人と、その後ろめたさを共有する。赤信号をみんなで渡っている気分だ。多分、みんな、この微妙な空気感が好きなのだろう。
今回、訳あって午後に行ってみた。空いているだろうと想像していたが、予想に反して、かなり並んでいた。約10人くらい。並ぶのは嫌いだが、仕方ない。おとなしく並ぶか。約30分ほど待って、店内に入った。
席について、「ジャン酎」、「モヒート」を注文。どかっと、あのばかでかいボトルが、眼前に置かれた。けれども、あんまりワクワクしてこない。
タンブラーに、「ジャン酎」を注ぎ、ミントの葉を入れる。グイッと飲むと、確かにうまい。けれども、あの体が震えるようなワクワク感がない。
まずは、いつもの定番、「たぬき豆腐」をチョイス。
うまい。
けれども、やはりいつものワクワク感がない。
何故だろう。
いろいろ考えているうち、もしかしたらという思いに至った。それは、時間帯の問題ではないかと。「まるます家」は、朝に行く店なのだ。朝、まだ体の機能が半分寝ている早朝に、罪悪感と後ろめたさが充満する満員の店で酒を飲み、「たまにはいいよな」という言い訳を呟きながら、さぁ次は何を食べようかなといろいろ思案する。その雰囲気がうまいのだ。
そんなことに、ようやく気づいたのだった。
もう、昼間に来るのはやめよう。次回は、もちろん9時前に並ぶさ。
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