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居酒屋さすらい 0649 - 環境の耐えられない存在 - 「立呑酒場 石田商店」(川崎市川崎区砂子)

2013-06-07 18:13:47 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋
川崎もずいぶん平穏な街になったものだと思う。
川崎競馬、川崎競輪、川崎オートを控えたこの街のイメージは最悪なものだった。女の子がひとりで歩けない街。そのイメージは少しずつ払拭されつつある。
このような街にあって、飲み屋街は少しおとなしい。競馬、競輪、そしてオートとくれば最強の、いや最凶の飲み屋街が控えていてもおかしくない。実際、駅前の飲食店街はそんな空気がびんびんと伝わってくる。だが、意外におとなしいのだ。
だから、立ち飲み屋さんを探すのも一苦労した。

京急の川崎駅寄りに「石田商店」という店があり、のれんをくぐってみた。
カウンターの高さがやや高い。人間工学的には少し疲れる高さだ。つまり、肘をついて体重をかけられない。蒸し暑いさなかを歩き通した自分にとって、これには少し堪えた。
開け放しのドアの向こうから強い西日が降り注ぐ。
眩しい。とても眩しい。
生ビール(420円)のジョッキが西日に輝き、有料のお通しを苦い思いで口に運んだ。

その西日の中をひとりおじさんが店に入ってきた。「レバ刺しある?」と店員に聞き、それがないと分かると、また西日の向こうに去っていった。「レバ刺し」の駆け込み需要。こんな光景をみると、「あぁ、日本人だな」と思ってしまう。

店内のBGMは懐かしいJポップ。
「だけど好きよ 好きよ 好きよ 誰よりも好きよ。世界がふるえるほどにいつか。この鳥かごをこわして」
アレンジは武部聡史だったか。ホッピーが甘く感じる。
だが、ホッピーを飲むと何故かもつ焼きが食べたくなる。口が塩分を欲しているからだろうか。「はつ」(180円)と「レバー」(150円)。
 
環境と生物は相互的だ。そこに存在することには全て意味があるし、そこに居られないということにも意味がある。

カウンターの高さ、強い西日、或いはJポップだって、そこに居たくないという要因になりはしないだろうか。
「本格焼酎が豊富」、それは店のウリにはなっていない。居心地がいいのが、断然いいと思う。
「石田商店」が店をたたんだというのは、タチノミストがその環境に耐えられなかったからだと思う。
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