栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

広がりを見せる不二家問題。賞味期限2年3か月切れも。

2007-02-01 09:54:45 | 視点
 消費期限・賞味期限切れ食材の使用はやはり不二家だけではなかった。
ここまで出てくるとどこもかしこもやっているのではないかと疑いたくもなる。
問題なのは内部でそういうことをしながら、外向けには「食の安全・安心」みたいなことを言っていることだ。

 不二家に至ってはもう論外で、消費・賞味期限切れ食材の使用というだけに留まらず、大腸菌群が検出された洋生菓子を出荷していたという。それも数個ではない。
10万個超である。異物混入の苦情や問い合わせは2005年12月~2006年11月の1年間に計1,693件もあったというのだから、前出の平田氏が言うように「感覚が麻痺している」としか言いようがない。

 そしてこの問題は不二家だけに留まらず、どんどん広がりを見せ始めている、判明しただけでもJR東日本の子会社「ホテルメトロポリタン長野」(長野市)が賞味期限、昨年10月9日の冷凍うなぎを1月24日までの間に蒲焼きなどにして客に出したほか、昨年6月で賞味期限が切れた冷凍キャビアを昨年10月に結婚披露宴で出している。
 外食チェーンのロイヤルはヤフードーム内の店で賞味期限2か月切れの冷凍食品を、ハンバーガー店チェーンの日本ウェンディーズは5か月切れのチキンナゲットなどを、東京ディズニーシーは賞味期限2年3か月切れのチョコレートを使ったクッキーを販売していた。

 ロイヤルの創業者、江頭さんには客が食べ残した料理を全部食べてみたという逸話が残されている。なぜ、そのお客さんは食べ残したのか。料理がまずかったのだろうかと自分の舌で確かめていたという。
 賞味期限2か月切れの冷凍食品を出した店が同社に存在した事実を江頭さんは草葉の陰でどう思っているだろうか。彼の哲学はいまに受け継がれていなかったのである。

 今回の問題に限らず最近続出する事故・事件でも感じるのは企業哲学のなさである。
人間がすることだから100%はない。ミスは起きる。でも、起きた時に元に戻れるかどうか。戻る場所はどこなのかを示してくれるのが哲学であり、理念なのだ。
自分は(自分の会社は)なんのために仕事をしているのか、をいま一度考えて欲しい。

安心で選ぶなら、やっぱり
NTTPCのレンタルサーバー/ホスティングサービス WebARENA