栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

いまやISO取得でさえ危ない。

2007-02-05 11:41:46 | 視点
<読者投稿>

メルマガで頂戴しました話題は特に最近、小生が顧客との課題検討に際し、よく話を出す材料です。
特に不二家の場合、ISO取得をし、起こったという事実がとても懸念される問題だと認識しています。

「失敗学」の提唱者である畑村洋太郎先生(工学院大学教授)も以下のような指摘をしておられます。
(以下著作より抜粋「TQCの落とし穴」という単元に続いて・・・)

「ISOも危ないぞ」
・・・・・・このISO採用についても実際の生産現場では、QCやTQCと同じく形だけ整えればよいといった風潮がひそかに広がっています。その趣旨は理解したつもりになっていても、日々の形式的な記録取りがめんどうだとの理由で、実情の確認なしにただ形式的に記入している例が多々あるようです。
 このような実態からの乖離は、「失敗学」の観点からすると最も重大な危険の種となります。基準を作り形を整えるだけでは「仏つくって魂入れず」です。そのようなことのないよう、参加する全員が正しく理解し実行するような組織運営が必要です。
(以上、文章抜粋「失敗学のすすめ」畑村洋太郎著・講談社刊より)
この図書が刊行されたのは、すでに2000年11月で、現在も文庫本で売れ続けています。

失敗学のすすめ

講談社

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(以下、小生の私見)
いわいる国際基準など素晴らしいものでしょうが、それ自体も認証ビジネスという観点で商品化されたものであり、ただの形式または研修材料とも取れるかもしれません。
要は組織を構成する一人一人に強靭な意識と行動が形成されるためのハートがしっか
り根付くかどうかが最も重要なことだと思います。

グローバルスタンダードという一瞬響きのいい言葉の波に乗じ、アメリカ流のドライな経営スタイルを容認してきたことが今日の悪弊を生む温床になっているのではないかと思います。利益追求が際立ってしまえば、日々の活動の中で重要な事柄をカットしたり、しっかり時間をかけるべきことを省いてしまうことが起きますし、コストカットも行き過ぎて、人の問題や納入先に対する道義的問題も欠落していく可能性が高まると思います。


一方ではマスコミの不祥事なども同次元だと考えます。「視聴率より視聴質」という議論が記憶では80年代後半ぐらいには議論されていたと思います。あの議論はどこかに消えてしまったようです。つまりマスコミ界は、成長するどころかむしろ後退していると思います。

子供の生活時間帯でもあるゴールデンタイムでも、立場上の強者が弱者を攻撃(言葉も暴力も)して馬鹿にして喜ぶような番組は、まさにいじめの増長としか思えません。
各界の第一人者がこき下ろされ、尊敬の念もないような馬鹿にした扱いをする番組が平然と流れていて、尊敬しあう社会ができるとは思えません。

また出演者の個人的な話に花が咲き、ラブホテルの話やセックスの話題をお笑いの材料にしたり、食事中の視聴者がいようがおかまいなしに下品な話を流したり、人殺し、陵辱する場面などが具体的に映像で流れますが、このような番組を流す放送局の社長、役員は知っているのか、会う機会があれば聞きたいと思っています。ローカルの中継局の方々にも聞いてみたいと思います。特権意識の中で自分たちの発する影響が、社会を混乱させ停滞させ、文化レベルを歪んだものにしているという自覚が欠落しています。

マスコミにしてみればバブル崩壊後も利益追求という観点から、サラ金、アミューズメント系のスポンサーの広告出向基準を緩くし、食い繋いで利益確保の道を開き、サラ金が厳しくなった今日では、宗教が狙い目になったようです。これはとても危険なことだと思います。資金を潤沢に持っている宗教団体(ほとんどが新興宗教系になる恐れがある)が広告出稿の基準が緩くなって多量に流れ出すと、大衆が動き出す可能性が高まります。それが進めば結局は競争の原理が働くので危険が増大化することでしょう。日本社会としても見過ごしてはいけない問題に自らが手をかけていることをマスコミ社自らが察知し、守るべきことだと思います。


このような悪弊を生む異常なブレの連鎖は不祥事が起こることで一部では振り戻しが期待できますが、部分的にではなく日本の産業すべてが意識を高い次元に置き直すことが必要だと思います。異常なことを異常だと気づかない人々が増えすぎていることを根本から是正しなければならないのではないでしょうか。それが日本の誇りとして世界に発信できる根本的な思想ではないかと考えます。これは産業に限らず、日本国家社会が、という観点が必要だろうとも思っています。

弊社はマーケティング・リサーチとコンサルティングを主領域にしており、中での私の仕事はマーケティングコンサルを主に、ビジネスプランを手がけております。
商品・サービスを向上させ競争力のあるベクトルに向かうためには、顧客満足度といったマーケティング領域に限らず、生産性向上といった課題やコンプライアンスなどの課題も密接に複合する関係性の中で進めねばならないと痛感し、さらに高い次元に邁進したいと思っています。

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村上隆英  株式会社ジーコム
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