栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

親離れができない子供、子離れができない親が多すぎる。

2008-04-12 08:40:16 | 視点
東大生は親離れを 入学式で安藤忠雄氏が喝(共同通信) - goo ニュース

 最近では大学の入学式に親が参列するのは当たり前になっているらしい。
それも母親だけではなく両親が。
それどころか入学式への参列を3人まで認めろという意見も多いらしい。
3人目は誰なのだろう。
まさか祖父母?
 大学の卒業式はおろか高校の卒業式でさえ出席するのは気恥ずかしいというか、別に特別なこととも思わなかったので、後で卒業証書だけもらいに行った自分などから見れば、なんで親が大学の入学式に、と不思議でしようがないが、そういうご時世なのだろう。
 安藤忠雄氏が怒りたかったのは本当は親の方だろう。
あなたたちが子供を甘やかしている、と。

 それにしても親がこの大学入学式に参列し出したのは一体いつ頃だろうか。
60年代後半の学園紛争華やかなりし頃に東大で学生にキャラメルを配った母親がいたというから、恐らくすでにその頃もう東大では親が入学式に参列していたのだと思う。
 政治的な課題でデモやストをしている学生(恐らく自分の子供も参加していたのだろう)にキャラメルを配って、「そんな危ないことはやめなさい。さ、これでも食べて!」とやったのだろう。
きっと家ではそういう風に子供に接していたのだろう。
そして彼女の息子はキャラメルに欺されてか、欺された振りをして彼女の言うことを聞いていたに違いない。

 その時の子供ももう50代後半。いわゆる団塊の世代か、それに近い世代。
そしていま問題を起こしているのは彼ら世代以下の子供達。
 団塊の世代というのは国内において中間階層が増えた時代であり、社会は豊になると思っていた世代。
実際、彼らは親によってモノを与えられてきたし、物質的な幸福感を味わってきた世代である。

 だから自分達が親になった時には子供に精神的なものではなく物質的なものを与えることで子供は満足すると思ってきたのだ。
 その一方で親子の関係が兄弟姉妹のような近い関係になることを喜んだ。
それが子供の自立を邪魔することだとは気付かずに。
その結果がいまである。
 親の過干渉や、その裏返しの非干渉が最近多発している理由なき(と見える)犯罪を起こしていることを親の世代はもっと自覚する必要がある。


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