栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

なぜ見抜けない、巨額の使い込み

2008-07-21 23:58:07 | 視点
6億円が使途不明、徳島・阿南土地改良区の女性職員告訴へ(読売新聞) - goo ニュース

 昔は1億円の使い込みでびくりしていたが、近年、金額がどんどん増えていき、1億、2億円ではさして驚かなくなったが、6億円にはさすがにビックリ。
 使い込んだ方も方だが、6億円もの金を使い込まれた土地改良区の方も社内体制に問題ありだろう。
6億円もの金をどれくらいの期間で着服したのか記事では分からないが、見抜けない方もどうかしている。

 大抵この種の事件が起きた後に言われることは決まっている。
「信用していた」
信用するということと、チェックをしないということは別問題で、セキュリティーに対する認識があまりにもお粗末すぎる。

 セキュリティー対策といってもそんなに難しいことではなく、通帳と印鑑を別々に管理するとか、別の人間が帳簿をチェックする、といった基本的なことだ。
 ところが、それをしないから、上司はノーチェック、あるいは帳簿を見てもどうせ分からないんだとなめられ、ごまかしをやられるのである。
 それにしても6億円もの金、誰が返済するのだろう。
上司も監督責任を問われてしかるべきで、応分の負担をすべきだろう。
そういう先例ができれば、恐ろしくて今後ノーチェックということはどの業界でもなくなるだろう。

 怖いのは中小企業の場合だ。
数千万円使い込まれれば倒産ということもある。
それが怖ければ1人の人間を長いこと経理に置かないことだ。
といって数年おきに経理を替えるのも大変と思うなら、社長夫人を経理にすべきだろう。
それが現実的な対応だ。


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