栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

ボンラパス花畑店の近況

2013-07-10 07:30:00 | 視点
 先日、ボンラパス花畑店に買い物に行き、おやっと思うことがあった。またまた、よせばいいのに店長を呼んでもらった。
 買い物カゴを持った、見るからに怪しげ男が「店長を呼んで欲しい。いなければ副店長でもいい」と言えば、大抵はロクな話ではない。なんらかの苦情か、その類と考えるのが普通だろう。よけいなことはやめて、レジで支払いを済ませて帰った方がよかったか、と思い始めた頃に店長が現れた。

「店内のレイアウトを変えられましたね。いつ頃から変えられました?」
「入り口の所でしょ。2カ月程前から変えております」
 店に向かって右側の入り口から入るとすぐ野菜や果物などが並んでいるコーナーがある。以前はごちゃごちゃと売台が並んでいたが、それらが整理されたため、スッキリとし、また見通しもよくなったので、随分変わった印象になった。
 さらに左手、ベーカリー売り場の奥の惣菜コーナーも売台が一つの島を形作っていたが、それも取り払われ、売り場全体がスッキリとした印象になった。
 見た目がスッキリしただけでなく、その分スペースが広くなったので移動も楽だし、ゆっくりと買い物が出来る雰囲気で、ボンラパスが本来持っていた、少しアッパー層を狙った店の本来のステイタスを取り戻していた。
 垢抜けたセンスの女(男)性だったのに、いつの間にやらドン臭い女(男)に変わってしまっていた、と言えば例えが悪すぎるか。
 それはさておき、レイアウトの変更が客に好印象を与えたということを一言告げておきたかったのだ。苦情を言う客は多くても、よかったことを言う客は少ない。それに反応は直接伝えられた方がうれしいだろう。私だって無反応より読者から反応がある方がうれしいから。

 話をして分かったのは、少し前に店長が替わったこと。しかし、売場レイアウトの変更まで少し時間がかかった。それは物を沢山置けば売れるという考え方から脱却できない人達がいたからで、最終的には人員配置替えまで行わなければならなかったということだった。
 この話を聞きながら、いつの時代、どの業種でも、売れない人間は売れない理由を取り扱い商品の点数のせいにするという話を思い出していた。

 ともあれ、レイアウトの変更に好印象を受けたということを告げ、当初の目的は達成したが、ついでに少し立ち話を。
 小売業の場合、出店地域の購買層により大きく売り上げが左右されるので、そのあたりのことをそれとなく聞いてみたが、ほぼ想定した層が来ているようだった。エリア名までここで言及するのは避けるが、立地と購買層は同心円的に第1次、2次という距離による分け方では測れないと感じた。当たり前のことではあるが。自店のターゲット層がいる方向はどの辺りで、その層に向けた情報発信をいかに続けていくかということのようだ。

 最近、ハローデイ色を以前より強く打ち出しているが、そのことも功を奏しているようだ。たしかに買い物をしていて感じるのは以前より価格帯を下げた商品が増えてきたこと。共同仕入れのメリットが反映され、商品の価格帯にも幅が出てきた。以前は同じ商品でもボンラパスで買えば高かったが、最近は商品が同じならボンラパスで買ってもハローデイで買ってもほぼ同じ価格になっている。一時期、客数が減少していたように見えたが、最近は客数も増えてきたように感じる。まあ、これは私の感想で、そのことを店長に質したわけではないが。
 その一方で「薬院店をいま閉店しているから、薬院店時代のお客様もこちらに来られています」と言うように、当初からのボンラパスの固定客も離れずにしっかり掴んでいるようだ。
 以上、立ち話を通して見たボンラパス花畑店の近況(?)