栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

そんなに人気がないのか、民主党

2013-07-15 23:00:04 | 視点

 7月10日午後1時前、福岡市中央区天神・警固公園を通りかかるとマイクを通してなにやら声が。
旗も立っていたからなんだろうと近寄ってみると、民主党の枝野氏が選挙演説を行なっていた。
聴衆はどこにいるんだ、と見回すと、選挙カーの前で熱心にメモを取っている人達がいた。
熱心な支持者もいるのだ、と感心した。
それも若い人達だったから、民主党は人気がないとはいえ、まだまだこういう人達に支えられている間は大丈夫だろうと思う。
それにしても10人足らずとは人数が少なすぎる。
と思い、よく見ると「熱心な支持者」と思ったのはメディアの記者達だった。
彼らは帰社後、原稿を書かなければいけないのでメモを取っていたのだ。
一般聴衆はいないのかと思いつつ周囲をぐるりと見回すといた、いた。
道路の向こう側、ビルの前で陽射しを避けながら聞いている人達が。

 だがその数、数十人。
あまりにも少なすぎる。
これでは演説する方も力が入らないだろう、とつい枝野氏に同情してしまう。

 選挙カーの側で旗を持って立っている民主党員らしき人物に近づき「聴衆があまりにも少なすぎますね」と、そっと話しかけると
「これが今の民主党の現実を表しています。そのことを私達も厳しく受け止めなければと考えています」と自嘲気味に答えてくれた。
 今回の選挙、民主党は厳しいとメディアは伝えていたが、ここまでだとは想像していなかった。

 聴衆のあまりの少なさに、通り過ぎるのも少し気の毒になり、しばし足を止めて枝野氏の顔は見ずに、話だけ聞いていた。
すると選挙区で立候補している民主党の候補がタスキをかけた姿で現れた。
枝野氏と同じ選挙カーの上に立つのかと思っていると、そうではなく、選挙カーの前に立ち、数分枝野氏の演説を聞いていたかと思うと、やおら体を左右に捻りはじめた。柔軟体操である。
これには驚いた。
少なくとも党の幹部が応援演説に来ているのだ。
第一、聴衆に対しても失礼ではないか、と不快な気持ちになる。
さらに数分後、彼はその場を立ち去った。
枝野氏の演説が続いているにもかかわらず、だ。
私の前を通る時、握手を求めることもなく。
ああ、この人は落選する。
そう感じてしまった。

 民主党の落ち目とは反対に勢いを感じるのは共産党候補。
選挙区で民主党候補の背中がすぐ前に見えてきた、と言っていた。

 それにしても3年前、国民が熱狂的に支持した政権交代は何だったのだろうか。
政権交代に失望したからまた先祖返りをする。それでいいのか。