労働基準法施行規則第21条は「割増賃金の基礎となる賃金に算入しないもの」の一つとして「住宅手当」を挙げている。しかし、すべての住宅手当が割増賃金の基礎に含めなくて良いわけではない。ここで言う「住宅手当」とは、“住宅に要する費用の一定割合(または住宅に要する費用によって段階的に区分した額)を補助するもの”を指しているからだ。
したがって、次のような制度は施行規則に言う「住宅手当」に該当せず、即ち、残業単価の計算基礎に含めなければならない。
(1) 従業員一律に定額で支給するもの(「第2基本給」的な意味合い)
(2) 住宅の形態ごとに一律の定額で支給するもの
例:「賃貸住宅に住んでいる者には3万円、持ち家に住んでいる者には2万円」
(3) 住宅以外の要素に応じて支給するもの
例:「世帯主である者には2万円、世帯主でない者には無支給」(事実上の男女差別とも言えそうだ)
このような住宅手当制度を設けている会社では、住宅手当を含めた賃金額で時間外割増賃金を算出しなければならない。
労働基準監督署の調査で指摘されることが意外に多い項目の一つであるので、予め社内でチェックしておきたい。
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