【「少女小説」 の世界】
今日の夕方、学校が終わってから ディーンと二人で庭の石のベンチに座り、 又 『アルハンブラ』 を読み始めた。 この本を読むたびに私は小さな扉を開いて お伽の国 へ入って行くような気がする。 【「エミリーはのぼる」 第2章】 |
今日は一転して冬日和となりました。
その分、起床時は随分、冷えましたけれど。
それにしても太陽って本当に有り難いですね。
昨日は、くすんで見えた冬枯れの庭も、
太陽の当たっている今日は、途端に春を待つ庭に思えますもの。
さて、同じ
『アンの世界』 に住む
エミリーもそうですが、
誰にも 『“お伽(とぎ)の国”
へ入って行ける本』
というのが必ずありますね。
例に洩れず私のそれは、
「少公女」 などと並んで
吉屋信子作 「あの道この道」。
何と年末の大掃除で、
ほとんど新品のそれが出て来ました。
もう今ではなくなってしまった、
地元の本屋さんの紙袋に入ったままで。
忘れもしません、実はこの本、小3の頃、
母の実家で一気に読んで、痛く感動したもの。
ですから本屋さんでこの本に接した時、
懐かしさに駆られて思わず求めてしまったのでしょうね。
ところが、当時は今のように、アンティークっぽいものに
それほど魅かれていた訳ではありませんから、
ついつい忘れてしまっていたのでしょう。
ストーリーは、お涙頂戴式のごく単純なもの。
それでも言葉通り、涙を流しながら読んだものです。
つい最近もありましたが、赤ちゃん取り換え事件によって
運命を狂わせられた二人の少女の物語です。
原本に忠実な復刻本。今では考えられない右書きも新鮮です。
たまには、こんな風に乙女ワールドに浸るのもいいですね。