【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

瑠璃色の花言葉

2011-04-08 16:16:06 | 香る庭の花綴り

【「蔓日々草(ツルニチニチソウ)」】

「年寄りのえらい伯母がいつも言っていたが、
物事はなるようにしかならんし、
又、起こらんはずの事が起こる事も時にしてある、
という事を僕は信じるね。
で、そういう時機を得ない出来事が
物事の順序を狂わせるんだ。
                 【「果樹園のセレナーデ」 1.】  


   起床時こそ薄日が射していたものの、
  午前9時半頃から雨がポツポツ。

   天気予報通りです。
  ごく弱い小ぬか雨。

   桜、こちらはまだ満開では
  ありませんので、この位の雨なら
  大丈夫だと思うのですが、
  この処の暖かさで開花のスピードが
  増したようで心配です。

   ところで昨夜の震度6強の
  地震には驚きました。

   宮城沖を震源とする度重なる
  地震に不安は募ります。

   よもや、1000年前の
   貞観じょうがん大地震 の時のように、
  富士山の噴火なんて
  ないでしょうね。


【「花韮(ハナニラ)」】


   さて、昨日のように水色の空に淡いピンクの桜は、
  日本人で良かったと思う瞬間ですが、翻って拙宅の庭は今、瑠璃色の花で満開です。
  「匂い菫(ニオイスミレ)」、「ヒヤシンス」、そして「蔓日々草(ツルニチニチソウ)」。

   蔓日々草は、葉っぱが斑入りと、そうでないものの2種類がこぞって咲いています。(写真)
  ただ、こちらの花、全草有毒なのだそうですね。

   「毒人参」 や 「トリカブト」 などのように名前が怖そうなものだったり、
  「洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)」 のように見るからに
  毒々しいものでしたら “なるほど・・” ~なんて納得するのですけれど。

   そうそう今日のタイトル、何の意味もありません。
  瑠璃色という上品で素敵な言葉の響きと、
  花言葉というロマンティックさと詩的なイメージで、単に言葉を羅列しただけです。

   ただ、この蔓日々草、ヨーロッパではこんな言い伝えが・・。
  これを身に付けていると悪いものを寄せ付けず、
  「繁栄」 と 「幸福」 をもたらせてくれる・・という言い伝えがあるのだとか。
  
   常緑で枯れない事から不死の力や魔力があると信じられていたようです。
  今の日本にも、ちょっと必要ですね。

うららか満開

2011-04-07 18:40:38 | レトロ(素敵)な空間~散策




とっても ロマンティックな場所 なのよ、マリラ。
そこにダイアナとままごとの家を作ったの。
名前はアイドルワイドとしたの。
詩的な名前でしょう?
それを考え出すのにかなり手間がかかったのよ。
ほとんど夜通し、目を覚ましてたの。
そうしたら、丁度眠りにつこうとした時、
インスピレーションのように思い付いたの。
                   【「赤毛のアン」 第13章】 


   起床時こそ、真珠色の空でしたが、
  その後、快晴に。

   おまけに今日は昨日以上に
  暖かくなりました。

   こちらは昨日まで
  まだ三分咲き程度だった桜。

   でも、こんなに良いお天気。
  なぜか心、落ち着きません。

   今日はお花見の予定など、
  全然ありませんでしたのに。
  こうなりますと・・。

   近所の友人を誘って、
  近くの桜公園へ出掛けて来ました。

   急に思い立ったものですから、
  冷蔵庫の中の物を急いで詰めて。
  
   弁当箱は以前に紹介済みの
  【漆塗り】 の物。

   ここには、「お化けの森も 
  ありますし、容易にアン気分に浸れる場所。
  
   桜は、まだ満開とまでは行きませんでしたが、春は満開。
  しっかり楽しんで来ました。



   例年、ついつい出掛けるのが遅くなっていたこの場所。
  そのためもあって、地面はピンクの絨毯。
  
   毎年、なぜもう少し早く来なかったのかしら・・
  ~なんて思ったものです。でも今年は少々、勝手が違っていました。
  
   ピンクの絨毯と、花吹雪の中の食事。
  それも、どんなに詩的なものだったのかと・・改めて思った次第です。

春とお喋り

2011-04-06 15:10:10 | A・クリスティーの館


いつか、アンがマリラにこう言った事があった。
「結局、1番、幸福な日というのは、
素晴らしい事や、驚くような事、
胸の湧き立つような出来事が起こる日ではなくて、
真珠が一つずつ、そっと糸から滑り落ちるように、
単純な、小さな喜びを次々に持って来る
1日1日の事だと思うわ」
                  【「アンの青春」 第19章】 


   気持ちの良い快晴の天気が続きます。
  今日も昨日同様、日本全国がすっぽり高気圧に覆われているのですね。
  朝、冷えるのも同じなら、日中、ぐんぐんと上がる気温も同じ。

   ふと思ったのですが、これまでこの時期、この季節、
  こんなに良いお天気が続いた事があったかしら・・? と。

   あら、あら・・未だに深く心に澱(よど)んでいる震災や原発の事があるにせよ、
  良いお天気なのに、こんな事を言ってはいけませんね。
  上記の アン のように、この時を、この瞬間を精一杯楽しまなくては。



   さて、今日取り出した本は又々、A・クリスティー作 「娘は娘」。
  ポアロ物に比べ、ミス・マープル物は、
  お茶シーンや植物描写が多いと記したのはつい先日の事。

   ところでこの 「娘は娘」、彼女には珍しく推理小説ではありません。
  そのせいもあってか、大好きなお茶シーンや、格調高い部屋の描写などは、
  のっけから、よりふんだんに。それは表紙のイラストからも想像されますね。

   そう言えばこの本、まだ読了した訳でもありませんのに、
  待ち切れなくてこうして記しているのですものね。
  その上、クリスティーならではの、女心に対する洞察や思いやりは至る所に感じます。

   とは言え丁度今、美しい未亡人である主人公のアンが、
  電光石火の如く結婚を決めたばかり・・という佳境にさしかかっています。

   本来でしたら、その結婚相手は、ちょっと物騒だけれど殺人鬼・・となる筈ですが?
  (どうしてもそんな風に考えてしまいます)そうでもなさそうですし、
  これからの展開が楽しみです。

   最後に。これも美しいロンドンの春の描写を。

「ロンドンて、本当はとても美しい所なんですのね。
普段は気が付きませんけれど」
「そう、まるで啓示のようですね、
こういう事に気付くのは」
「(中略) 木々の若芽アーモンド の木。
そのうちに ライラック が咲く。
煉瓦れんがとモルタルのくすんだ壁を背景に
しているために、その美しさが
一層大きな意味を持つのだと。
田舎では全てが雑然と起こる。
それに周りがあまりにも広々としているから、
つい心して見る事がまれだ。
しかし、郊外の家の庭には
一夜にして春が来るって」
                【A・クリスティー作「娘は娘」】 

小さき花の心意気

2011-04-05 16:08:18 | 香る庭の花綴り



【「チオノドクサ(雪の栄光)」】

アンは窓を開け放って身を乗り出した。
子供たちの庭には既にレタスの新芽が
曲がった小さな列を作っていた。
夕日はかえで林の後ろに柔らかく淡紅色に沈もうと
しており、窪地から微かに子供たちの
美しい笑い声が響いて来た。

「春があまり美しいので、
眠って少しでも逃すなんて嫌だわ」
と、アンは言った。
                【「炉辺荘のアン」 第23章】


     起床時は相当冷えたものの、
   昨日同様の快晴の朝を迎えました。晴れ渡った美しい空。

    今日は全国的に見事に晴れマークが並んだようですね。
   この空が被災地の方々の励みになれば・・と思わざるを得ません。

   一方、予断を許さない状況の福島原発。
  一向に出口が見えなくて不安は増すばかりです。

   それにしても低レベルとは言え、
  1万トン余りもの汚染水を海に流すなんて。
  そんな事、絶対に止すべきでしょう。

   既に海外からは農作物だけでなく、
  チョコレートなどの加工品にさえ、規制がかけられているとか。
  
   検査の強化は当然ですが、世界から 「汚染列島」 なんて、
  レッテルを張られる事のないように・・と祈る事しか出来ません。

   さて、冒頭の写真。
  名前を知らない、この花は本当に小さな小さな花なのです。

   初めは1、2輪だったものが、
  今では1、2・・10・・数え切れないほど。

   でも小さいので、それほど場所を取る訳ではありません。
  何だか遠慮して咲いている気がして。
  遠慮なんかしなくていいのに・・でも、精一杯生きています。

   そしてもう一つの花は 「チオノドクサ」、別名 「雪の栄光」。
  去年より今年はかなり遅く、雪のない季節に咲きましたが、今満開です。

揺れるレースの窓辺にて

2011-04-04 15:53:25 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


 「今日は お茶はこっちの部屋で
頂く事にしましょう」
こう言うと先に立って奥のドアから、
彼女の見た事のない、新しい部屋に案内した。
それは派手やかな更紗さらさの布を張った椅子の
置かれている、いかにも心地良げな部屋で、
あちこちに花が飾られ、
陽が一杯に差し込んでいた。
               【A・クリスティー作 「娘は娘」】 

   
   昨日以上に冷えた今朝は、昨日とは打って変わって
  雲一つない快晴となりました。
  360度、青 ― 青 ― 青の世界です。となりますと・・。

   今日は太陽が一杯!!
  お部屋の中も朝の気温が嘘のように上昇しています。

   そして1歩庭に出れば、ついこの間まではパンジーだけしか
  花らしい花はありませんでしたのに、青、ピンク、黄、白・・
  いつの間に本当に、いつの間に・・と、びっくりするほど多彩な色に溢れています。



     さて、春らしい陽気に包まれた今日。
    上記のように、「お茶は、こっちの部屋で・・」
    という訳には行かないまでも、テーブルクロスは野の色、若草色に。
    
     プラス、レースに変えてみました。いつもよりちょっとドレスアップ。
    庭からは昨日の水仙に加えて、ピンクのヒマラヤ雪の下を。
    花は人を優しくしてくれますね。

   そんな、すっかり春めいた部屋。
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』
  開店です。

   テーブルは、やはり思い切り
  窓辺がいいですね。

   「チュン、チュン、チュチュッ・・」
  “アラッ、小鳥が・・”
  
   かと思えば、
  ス~ッと目の前を1匹の白い猫・・。
  窓辺は色々、賑やかです。

   今日もカップは花柄で。花のカップは春にピッタリですね。
  そんな時、何気なく付けていたテレビから聞こえて来た声。
  「優しいのね、お茶を淹れる音って・・」  
  
   思わず、ハッとして画面を見つめたものです。
  そこには今より遥かに若い、大写しの女優の顔。
  再放送の昔のドラマの一駒です。        

フルコースで召し上がれ

2011-04-03 16:16:28 | A・クリスティーの館



ルーシー・アイレスパロウは
小型の自家用車を運転して、
いかめしい大きな鉄門をくぐった。
今はすっかり打ちてられていたが、
元は 番小屋 と覚しい小屋があり・・(中略)

長い、曲がりくねった道が、
こんもりとして暗い 石楠花しゃくなげの繁み を縫って、
屋敷まで続いていた。
ウィンザー城 を小さくしたような館が見えた時、
ルーシーはあっと息を吞んで、微かにあえいだ。
         【A・クリスティー作「パディントン発4時50分」】  


   寒いとまでは行かないまでも、ヒンヤリとした朝を迎えました。
  加えて今日は真珠色の空。この処の春らしい陽気とは一変です。

   ただ、私の中では “火” がある事になぜか安心もして。
  石油ストーブの上にお湯が湧き、時には煩(うるさ)く思える、
  リズミカルな? その音も、妙に懐かしいような・・。

   そう言えば、ストーブの上って便利です。
  いつでもお湯が湧いていますから、お茶だってすぐに頂けます。

   又、さつま芋をアルミホイルに包んで置いて置けば、
  僅かな時間で焼芋と・・すっかり重宝しています。

   “ここ数日間の手持無沙汰の感は、これだったのだわ”
  ~なんて確認した次第です。


   さて、久し振りのアガサ・クリスティーは、「パディントン発4時50分」
  ちょっと前に読了していながら、今日までずれ込んでしまいました。

   擦(す)れ違う列車の中で殺人事件を目撃するという、
  まるでヒッチコックの 「裏窓」 を連想させる、ストーリー展開。

   タイトルからは 「オリエント急行殺人事件」 に代表されるような
  列車物と思われますが、最初だけ。

   その舞台背景も上記の描写のような、
  独特の雰囲気がありますから、嫌でも引き込まれてしまいますね。

   のみならず、「クリスマスプディングの冒険」 のように
  料理、お茶シーン等など・・満載ですから私なんて、もうお腹一杯。

   この小説は、ミス・マープル物ですが、やはり女性が主役だからでしょうか。
  料理、お茶、植物などの描写がポアロ物より多いような気がします。

   そうそう肝心の犯人。
  様々な登場人物の中で、“1番犯人らしくない者” を選んだつもりですが又々、外れ。
  ミス・マープルの冴え渡った推理力には脱帽です。

   最後に。ラザフォード邸 の本日の夕食メニューです。
  たっぷりどうぞ! 但し、自己責任でどうぞ。


   【注 : 「シラバブ」 → 牛乳、あるいはクリームに、
  葡萄酒、林檎酒などを混ぜ、砂糖と香料を加えて泡立てて固まらせたもの】 

夢想する季節

2011-04-02 15:53:55 | レトロ(素敵)な空間~散策





女の子はみすぼらしい古ぼけた
手提げかばん
を片手に持って立ち上がり、
もう一方の手を彼に差し出して、
「あの、『緑の切妻グリン・ゲイブルス』 の
マシュウ・クスバートさんですか」 と、
際立って澄んだ美しい声で尋ねた。
                 【「赤毛のアン」 第2章】 


   ほぼ昨日と同様の空で明けました。
  起床時の気温も昨日より大分暖かくなり、日中もより過ごし易くなっています。
  ただ、今日は午後になって淡~い雲が広がり、風も少々、出て来ました。

   それにしても、東の空を眺め、1日の始まりを迎えるのが常ですが、
  普通の暮らしを続けられる事に改めて感謝し、
  被災地の方の1日も早い復興を願ってやみません。

  春は誰でも詩人になれると
  言ったのは、ジム船長 だった
  でしょうか・・。(「アンの夢の家」)

   同様に春は夢想する季節? 
  でもありますね。

   さて、冒頭の写真。
  このブログでも、既に
  何度も登場していますね。
  
   外出すると、ついつい
  立ち寄ってしまう場所。

   何と言っても、こんな
  アーチ型の窓を持つ、クラシカルな
  建物が大好きですから。

   勿論、そこには必ず、アン
  ダイアナ を置いてしまう私。
  時には シャーロッタ4世 だって。

   古ぼけた手提げ鞄を下げた
  アンがそこにいても全然、違和感がありません。
  私も、少々クラシカルな鞄(USA製)を取り出しました。
  
   ただ、正面の大きな木は金木犀。(こちらは 【以前】 の写真)
  ロンバルディーポプラや樺の木でないのが返すがえすも残念です。

   そうそう、建物の右の空地は、もう少しすると、
  黄色い絨毯、蒲公英(たんぽぽ)の花で一杯に。裏庭は梨園です。

幸せ色の花

2011-04-01 16:16:38 | 香る庭の花綴り




「あの砂丘の上のかすみが踊る
魔女のようじゃありません?
あの 水仙 に気がお付きになって?
あんな見事に咲き揃った水仙は
炉辺荘では今まで1度もありませんでしたわ」

「私はあまり水仙は好きではありませんね。
これ見よがしの花 ではありませんか」
                【「炉辺荘のアン」 第14章】




   今日も晴れ渡った空になりました。
  前を見ても後ろを見ても右も左も・・。
  雲、一つ見当たりません。   

   淡~い水色の空。
  大層優しく、
  春らしい空になっています。

   それでも朝は結構、
  寒かったのですが、
  昨日以上の暖かさ。
  気温も、ぐんぐん上昇です。

   折しも今日から4月。
  これからは新たな気持ちで
  暮らして行きたいですね。

   さて今日の写真は、水仙の花。
  その俯(うつむ)いた風情が、
  あたかもこの度の震災の
  祈りの姿のように思えたものです。

   そんな事もあって既に 【先日】
  一部登場済みですが、今、次から次へと開花しています。

   黄色、淡い黄色、白にオレンジ・・。
  上記の 「アンの庭」 ではありませんが、拙宅の庭にも、
  こんなに見事に咲き揃った事はかつてありません。
  何しろ植えた記憶すらないのですから。

   おまけに黄色は、どちらかと言えば苦手な色。
  でも 「幸せ色」 と思えば、途端に心も軽やかになりますね。

   ところで、水仙を 「これ見よがしの花」 と言ったのは、
  暫くアンの家に滞在していた、メアリー・マライア おばさん。(「炉辺荘のアン」)
  
   人の花に対する思いは様々ですが、面白いですね。
  マライアおばさんにも水仙に対して、何か悲しい思い出があるのかも知れませんね。