車窓に差し込む陽射しが京都を過ぎた頃から強くなった。
帰りの新幹線で、今この日記を書いている。
従妹の葬儀告別式に参列し、昨夜はそのまま広島の実妹宅に泊まった。
親戚と友人だけの、ささやかな葬儀だった。
従妹の突然の死を妹も私も受け入れられないまま、
棺を送り出し、骨を拾った。
炎天下の午後、従妹の遺影を抱えて斎場から出たとき、
私の名前を呼ぶ、あのトーン高めの明るい声が甦った…
遺影の中で穏やかに笑っている従妹を何度も撫でた。
昨年末に他界した次兄の新盆の準備をしていた従妹だった。
昨日の葬儀で喪主を務めた従妹の長兄が、寺の住職と今後のことを相談していたようだ。
その結果、本来なら来年の8月に新盆を迎える従妹の法要も、
来月半ば一緒に行おうという事になった。
四十九日も済んでないのに、1年繰り上げて問題ないのだろうか?
そう思ったが、
初七日を葬儀の日に行うのと同様に、早くやる分には問題ないらしい。
私のような遠方の者や高齢の親戚の負担を慮っての事だろう。
ありがたい。
きっと、これも亡き従弟妹たちの気遣いなのかもしれない。
来月半ばの再会を約束して、
ここ数年は冠婚葬祭がないと会う機会も無くなった数少ない郷里の親戚たちと別れた。
新幹線は、間もなく新横浜だ。
長男は、どうしているだろうか?
…そうだな、人間いつどうなるかわからない。
会えるうちに、会っておかないと…。