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コンクール会場の内幸町ホールは、
来年から改装のため2年間使えなくなるらしい…
コーダが終わったとき、
目が眩むほどのスポットを浴びながら
(このホールで歌うのは最初で最後だろう)
ここで歌えることに心から感謝しながら歌い終えた。
トップバッターの役目をとりあえず果たしたかな?
全員が歌い終わるのは、17時頃の予定だ。
オリエンテーションで出演者は最後まで衣装を着替えずにいてほしいと主催者から告げられている…
さて、これからの時間はどうやって過ごそうか…
とりあえず控え室で、モニターを観ながら他の出演者の歌を聴こう。
コンビニに昼食を買いに行くには着替えなければならないが、
なんだか面倒だなぁ…
そんな事を考えていたら、
名古屋から来たKさんが、お土産のお饅頭をくださった。
(お〜!お昼ご飯代わりに頂こう、ありがたい‼︎)
控え室では、ほぼ皆さん顔見知りのようで、本番前だというのに余裕が感じられる。
それに出番が終わって帰って来ると皆んな拍手で迎えてくれて、とてもイイ感じだ。
福島や秋田、山口のお国言葉が飛び交う…
なんだか居心地がいい。
そして全員が終わってから審査待ちの30分の間に、
『コンクールあるある』のウラ話で大いに盛りがる。
ベテラン出演者は言う。
「このコンクールはね、全員に講評があるのよ」
「だけど結構その時間が長くて大変なのよ」
ふむふむ…
初めての私には、講評はとてもありがたいものだと思うが…
「講評はお客さんの前であるんですか?」
と訊くと、
「そうなの、酷評もあるから公開裁判みたいな感じよ」
との事…
「だから、私は知り合いに予め言ってきたのよ、不愉快になるから講評は聞かずに帰ってね、って」
とベテラン出演者さん。
そうなんだ…
確かに、人前でコケ下されるのは出演者の立場として辛いかもなぁ…
打たれ強い私ではあるが、内心は傷つきやすい…
(何を言われるかなぁ…)
不安がよぎる。
表情が顔に出たのか…
「あなた、良かったわよ!
あの歌は、なかなか、あんな風には歌えない曲なのよ」
とベテラン出演者さんが励ましてくださった。
嬉しかった…
(哀しい歌は唄えない③に続く)