
あぁ、昨日は父の日だったんだ…
すっかり忘れていた。
「父」と言う存在そのものが我が家には居ない…
強いて言えば夫か…?
但し、イメージではない。
(ー ー;)
昨夕、息子が電話してきたのは、
それで…だったのかな?
夫も昨日が“父の日”だって事自体、
全く忘れていた様だから…まぁいいか。
昨夜は、
いつもより遅めの夕食をとりながら、
《ポツンと一軒家》を観た。
鳥取県の山中で築100年という家で暮らす家族5人の住む立派な農家。
稲作もしているが、
特産和牛の子牛を出荷する畜産の仕事がメインだという。
牛舎の様子を取材スタッフが映し出したとき、
一頭の黒い子牛がカメラに近づいて来るのを見た夫が呟いた、
「オレにはムリだな…」
と。
「オレなら、出荷できない…一生飼う」
とも。
最近、急にビーガンに目覚めた?夫らしい見解ではある。
画面に目をやると、
母牛たちのストレスを少なくするために理想的な自然の中での放牧をしている。
良い子牛を産ませるためでもあるらしい…
先祖の建てた古民家を少しずつ直しながら住み続ける事も、
まさに昨今で唱えられるSDGsではないか…と思いつつ見ていたが、
確かに、夫の言うように、
かわいい子牛を競りにかけて高く売ると言う仕事は、
動物愛護の観点からみれば複雑ではある…
が、
特産和牛を美味しいと言って食べる人がいれば、その和牛を育てる人がいる。
食文化や地域産業を守るためには、
必要な仕事である。
山中でひっそりと暮らす四世代家族5人の高校生の孫は、
大学へ行って国語の教師になりたいと言う…。
後継者をどうするのか…と考えたとき、
その一家の“父”でもある70歳の男性は
「あと10年は頑張ります」
と語った…
ふと、
(そうだったのか…)
と、気づいた。
この家には、孫にとっての“父”と呼べる存在が居ない、
と言うことは、
この一家の生計を支えているのは、
母牛を育てて子牛を出荷する…という仕事そのものなのではないか?
11年前、定年の一年前に役所を辞めて、
その後、家もリフォームしたと言っていたが…
それなりに事情があったのかもしれない。
かわいい孫娘のために、決断したのではないかな…?
私は…
なんとなく、そんな印象を持った。
今時分、
稲作だけで孫娘を大学に行かせるのは難しい、
であれば、
高級和牛の子牛を出荷するほうが利益は大きい…
そこまで考えたとき、
…腑に落ちた。
TVでは、そこまで紹介していないが、
様々な事情があるのだ。
しかし、
かわいい孫娘を大学に送り出すときは寂しいだろうなぁ…。
がんばれ、
《ポツンと一軒家》の父。