
散歩中、
近所の家に色褪せたコイノボリが泳いでいるのを見ながら、
「珍しいなぁ」
と夫がつぶいやいた。
…そういえば、年々コイノボリを揚げる家が少なくなっている。
「風が強いからかなぁ…それともポール建てるのにお金がかかるからじゃないの?」
と言ってみて、
(いやいや、そんな単純な問題じゃない)
と思い改めた。
こんな地方都市でも核家族が増えているのだ。
親との同居を拒み、若い夫婦はマンション暮らし。
あの色褪せたコイノボリは、祖父母が孫を思って揚げたものかも…。
最近はコイノボリは観光地の呼びモノと化している。
昨日も通りかかった中之条の某所で大量のコイノボリが泳いでいたが、
子供達が目にする機会がどれだけ有るのかと気になる。
《♪ 屋根より高いコイノボリ…》
…が歌えない。
総務省の統計によれば、
今年は昨年に比べて19万人も子供の数が減っているらしく、
とうとう1500万人を下回ったらしい。
総人口に対しての子供の割合11.9%…は過去最低だとか。
結局、
そう言うことだ。
事実、
自分たちのように“孫なし中高年”もフツーに増えている。
それに加え、
このコロナ禍では、
子どもがいると生活の負担が多くなる事を取り上げるニュースばかりが目立つ。
日本ばかりではない。
アイルランドでは、
ホームレスになった4歳の女の子が炊き出しを食べている画像が配信された。
先進国だって、
こんな状況なのだ。
とてもじゃないが、
こんなんじゃ若い人たちも子どもを持つ気にはなれないだろう。
かつて有名俳優がインタビューで
「なぜ子供を持たなかったのか?」
と訊かれ、
「こんな世の中じゃ、生まれた子が可哀想だ」
と答えた事があったが、
今まさに、
そういう時代がやってきている。
(ー ー;)