出かける直前に広島の叔父から電話がかかってきた…
何十年ぶりだろう…
元気そうな声だ。
時計を見ると、
(いけない!10時10分前だ、どうしよう遅刻だ!)
9時半からの仕事には、
これまで一度も遅れた事はない…。
(どうしよう…)
そこで目が覚めた。
叔父は、
もう10年も前に亡くなっているし、
これから支度すれば、仕事には間に合う。
全部夢なのだ。
それなのに、
叔父の元気な声は覚えている…。
どうしてだろう。
叔父は実父の一番下の弟で
実父より10歳近く若いのに70代の前半に癌で亡くなった。
そうだ、
叔父夫婦の結婚式の日に
確か、まだ小学校の低学年だった私だけが、
新婚旅行に出かける叔父たちと一緒に故郷の駅近くのフルーツパーラーに行き、
クリームソーダをご馳走になった事があった。
当時としては珍しくヘッドドレスに和装の花嫁衣装を身にまとった叔母が眩しく見えた事を思い出す。
叔父夫婦とは、それ以降会った記憶がないのに、
なぜ今頃になって思い出したんだろう。
過去記憶が鮮明になって来ているのは
きっと、歳をとった証拠だ。
(ー ー;)