気持ちが落ち込んでいる時は、
とことん、落ち込んでもう何もしない…
そんなことを何度かやってみた。
が、
最近それは、とんでもない時間のムダ使いのように思えてきた。
我が人生も、これまで生きてきた時間より、残された時間の方が少なくなった。
振り返ってみると、
どれだけ時間をムダにして来たことか…
ドラマ《ライオンのおやつ》を観終わって、
改めて思ったのは、時間には限りがある…という事だ。
主人公は若くしてホスピスに入居する。
そこで、とても充実した楽しくて穏やかな日々を過ごす。
(こう言う終わり方もいいなぁ…)
と思う。
人生の終わり方を自分で選べるなら、《ライオンの家》のような場所で過ごしたい。
実際には、そんな場所はなかなか見つからないが、
終わりの場所は、
自分の納得いく場所で迎えたいものだ。
夫はチラッと見ただけで、
「辛気臭いドラマだなぁ」と言っていたが、
私は、不思議なほど、観ていて穏やかな気持ちになれた。
先週末、従姉の連れ合いが旅立った…。
92歳の大往生だったらしい。
従姉に電話すると、
「年が離れていたから覚悟はしていた」
と言い、
「Tさんと暮らした20年は、とても幸せだった」
と明るく語った。
よい想い出だけ遺して逝けるのは幸せだ。
ドラマ《ライオンのおやつ》では、
看取った瞬間にホスピスの女性オーナーが、
『よい旅を…』と死者の耳元で囁くシーンがある…。
エンディングでは、
小さな淡い光が、自分の想い出の場所を訪ねて浮遊するシーンがあった。
まさしく死は、“旅立ち”なのだ。
従姉の連れ合いも、きっと今頃は
知り合いの人達に別れを告げる旅に出ているかもしれない。
Tさん、
待ってるよ〜!