八時過ぎ、市谷のトマティス本部につきました。今日のカウチは小部屋にあって電気の光量を落とすことができました。きのうまではとても眩しかったのです。
モーツァルト2、グレゴリア聖歌1でおねがいしました。仕事を終え日常をひきずってくるのですぐと入れないのですが、曲が変わったとたん、感情がこみ上げてきて、それは身を引き裂かれるような苦痛で、わたしは思わず身体を捩った。音楽がかわるにつれ、歓びの感情が身体から沸き起こりわたしは思わず手をさしのべた...そのときわたしは、歓喜と苦痛がひとつのものの裏表であること、ひとつであることを理解しました。
旋律と情感に身をゆだねながら脳裏では古代的な彫像やレリーフが流れるように姿を変えてゆく....端正な横顔がみるまにゆがんで醜い妖獣となる......わたしはそのとき、美と醜がひとつのものであることを理解しました。混沌と秩序がひとつのものの別の姿であることを理解しました。生と死がひとつのものでありひとつのすがたの別の象であることを理解しました。.....わたしは此処にいて、そしてもうひとつの場所にもいるのだ....と理解しました。
わたしは頷きました。涙がとめどなく頬を濡らし、わたしは然り...全て然り.....という安寧のなかにおりました。この感覚、神と一瞬交わったような感覚はやがて狭霧のように消えてしまうだろう。だが わたしの芯に残っている、そして今まで朧に感得したものが確信に変わってゆくのだろうと静かに思いました。そして 最後にトマティスはおなかがすきます。おそらく身体のなかでなにかが起こっているのだろうと思います。
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