ひろの映画見たまま

映画にワクワク

十二人の怒れる男

2008-11-05 19:46:06 | 映画
シドニールメットが、演出した「十二人の怒れる男」は傑作だった。

その映画を、ソ連で映画化した。

普通、リメイクは前作を越えられないものだが、

この映画は、素晴らしい出来だ。

というのも、舞台がソ連という全く環境の異なる世界で描かれたことによる。

そして、通常のソ連映画が重厚なように、この映画も重厚だ。

少年が義父を殺した。状況は、犯人と見て間違いない。

12人の素人判事がこの裁判を担当する。

出された証拠は自分たちで変えることはできない。

与えられた状況下での判断だ。

素人だから、早く裁判を終わらして帰りたい。

ただ、判決は全員一致が条件だ。

そんな心理の中、一人の男が疑問を持つ。

大した証拠はないが、これで終わっていいのかという問いかけだ。

そして、議論していくうちに証拠があやしくなってくる。

少年がチェチェン人だということが一つの争点になる。

話の中で、それぞれの判決者の置かれた立場が明確になり、

それが、現代ロシアの恥部をさらけ出す。

そして、結局裁判はひっくりかえるのだ。

長時間の論理的な展開に付き合わされるが、興味が尽きない。

集団劇のアンサンブルを見せられる。

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