モガリの森

モガリとは粋な名前だ。

死者の仮の墓場だ。

認知症の男性は、亡くした妻の思い出に生きている、

モガリの森に、彼女に会いに行こうとする。

同行するのは、子供を交通事故で亡くした新人の介護士だ。

二人は、車が故障したことから、歩いて山を登ることんに、

奈良の奥深い山は神秘的だ。

なにか、つかれたように監督は山にのめりこみ、

役者を究極の状態に持って行き

そこで、二人は川の急流に落ち、ずぶぬれになりひと夜を明かす。

そして、たどりつく妻の墓。

そこで、老人には介護士と妻の混同が

神秘の森で、老人は至福の時を迎える。

哲学的な映画だ。

エディットピアフ

シャンソンは、もう過去のものか。

最近めっきり聞かなくなった。

通の人はいるらしいのだが。

エディット・ピアフ、シャンソン界の大御所。

彼女なしには、シャンソンは語れない。

その伝記が映画になった。

聞いてはいたが、大変な人生だったのだ。それも短い。

「愛の讃歌」「パダンパダン」「バラ色の人生」ふと思い出すだけで

日本のシャンソン歌手もたくさん彼女の歌を歌っていた。

幼いころから、家庭に恵まれず、父方の母のもとに預けられたが、

そこは娼婦街、大道芸人の父に連れられ、歌を歌うようになる

その透き通るような声は彼女独特のものだ。

そして一気にスターに駆け上るが、

そこでも、やくざの影、

そこで覚えた酒と薬で後年はぼろぼろに、

歌にしか、生きられない彼女は観衆が生きがいの柱に。

病と闘いながら、倒れても歌う必死な彼女。

涙を誘わずにはいられない。

そして、愛多き女でもあった。

特にボクサーとの不倫の恋は彼女の至福の時だった

マリオンコテヤールは、ピアフを絶大の演技で務める。

シャンソン好きの方はぜひお見逃しなきよう。

リトルチルドレン

いずれも、悩みを持ちながら生きている子持ちの男と女。

二人はなるようにして不倫関係に。

ケイト・ウィンスレドは、全裸で体当たりの演技だ。

相手役のパトリックウィルソンも、いい体をした青年だ。

お互い立派な夫と、美人の妻を持ちながら、物足りない日々を送っていた。

子守りをするという共通の境遇から、プールサイドでの毎日のデート

ある日、雨に出会い、ずぶぬれで、アパートに

成り行きでセックス

しかし、この見せかけの正常さで、不倫は成立するのか

どきどきする、設定が続く中、

駆け落ちを試みるが？

誰しも、満たされない心を持ている。

この映画で、疑似体験できるかも。

悩める成人男女に格好の贈り物かも。

クローズドノート

竹内祐子が小学校の新任教師になる。

さあ、二十四の瞳の高嶺秀子を超えられるか。

でも、あちらは、小豆島・のどかな田舎の風景と子供たちの素朴さが助けていたね。

竹内も頑張っているが、「クローズドノート」は、

小学校が主題じゃないしね。

それより恋愛が主体で、どっちかというと

沢尻エリカの香恵が主体だもんね。

でも、不登校になった子供が、歌をきっかけに復学するシーンなんか

涙を誘うよね。

ちょっと、テーマが二分されて、その分両方が薄まった感じ。

まあ、恋物語として見たほうがいいかも。