ひろの映画見たまま

映画にワクワク

長江哀歌

2007-10-24 17:53:26 | 映画
中国の長江を開発して、三峡ダムを造っているという話はほとんどの人が知っている。

三峡は、渓谷美・すなわち川下りの観光でも有名だ。

ダムの建設によりこの川の周辺に住む人々は、転居を余儀なくされている。

この映画は、その開発途上の三峡ダムの現場を中心に、崩れゆく古き良きものと

新しく合理的な建築物との対比の中で物語は進んでいく。

場所は、重慶の近くの奉節。

ここに、16年前に別れた妻子を探す夫と、2年間音信のない夫を訪ねる妻という、

何の脈絡もない二組の物語が、描かれる。

前者は、下層労働者(ビルの破壊を業とする)

後者は、転居のあっせんをする実業家。まあちっぽけな社長。

中国の貧富を代表する二組。

それぞれが、自分の相方を求めてさまよう。

それは、人生の機微。

背景は大きいが、別れというイベントを抱えた二人にとっては、

現実が問題だ。

だましたり、だまされたりの人生。

熱い。男は上半身裸、女はペットボトルの水が手放せない

たばこ、酒、茶、あめ

嗜好品は、恋と同じか

別れた夫婦に何があったのか。

重くのしかかる過去。

壮大な背景と、まったくリアルな現実の生活。

じっくりと描いて、輝く。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする