ひろの映画見たまま

映画にワクワク

十二人の怒れる男

2008-11-05 19:46:06 | 映画
シドニールメットが、演出した「十二人の怒れる男」は傑作だった。

その映画を、ソ連で映画化した。

普通、リメイクは前作を越えられないものだが、

この映画は、素晴らしい出来だ。

というのも、舞台がソ連という全く環境の異なる世界で描かれたことによる。

そして、通常のソ連映画が重厚なように、この映画も重厚だ。

少年が義父を殺した。状況は、犯人と見て間違いない。

12人の素人判事がこの裁判を担当する。

出された証拠は自分たちで変えることはできない。

与えられた状況下での判断だ。

素人だから、早く裁判を終わらして帰りたい。

ただ、判決は全員一致が条件だ。

そんな心理の中、一人の男が疑問を持つ。

大した証拠はないが、これで終わっていいのかという問いかけだ。

そして、議論していくうちに証拠があやしくなってくる。

少年がチェチェン人だということが一つの争点になる。

話の中で、それぞれの判決者の置かれた立場が明確になり、

それが、現代ロシアの恥部をさらけ出す。

そして、結局裁判はひっくりかえるのだ。

長時間の論理的な展開に付き合わされるが、興味が尽きない。

集団劇のアンサンブルを見せられる。

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幻の邪馬台国

2008-11-04 19:52:24 | 映画
永遠の美少女とはよく言ったものだ。

今回は少女時代はパスしたものの、

ラジオのパーソナリティ時代、すなわち宮崎康平との出会いから出演。

彼女のためのメーキャップ担当がいるが、その容姿はさすがなものだ。

吉永小百合。

キューポラの初々しさはないものの

大御所となっても変わらぬかわいさでスクリーンを圧倒する。

回想シーンで卑弥呼を演じるが、彼女なくしてはあり得ないと思わせる

圧倒的なシーンだ。

「幻の邪馬台国」は、宮崎康平の妻和子の物語だ。

題名からは、宮崎康平が主人公のように見えるが、

実は、妻の物語だ。

まず冒頭、中国から家族で帰国する少女時代から始まる。

そして、宮崎康平の死後、葬儀を全うしてから映画は終わる。

奇人宮崎を竹中がオーバーな演技で、笑いをとるが、

その夫をまあるく修める彼女の存在。夫婦円満の秘訣だ。

盲目の歴史学者の妻として、夫のロマンにつきあう。

一事に打ち込む男冥利に尽きる夫を支える妻も

女冥利に尽きる。これぞ夫唱婦随。

いやいやながら、押し切られ結婚したように見えるが

結構しっかり、己の立ち位置をわきまえる糟糠の妻。

昭和の理想像なのかも。
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