人生日訓(27)
「父の業改めざる三年」
論語の中に、孔子はこう言っている。「父の業改めざる三年、孝というべし」」そんな文章だったと記憶している。父の偉業を受け継いだ二世の来世綱心得である。先代が目をつぶったとする。「待っていました」とばかり、永年、肚に据えかねていた先代のやり方の不満を一時にさらけ出して大改革をやる。これとてもいい場合もあろう。しかし周囲はけっしてこれを心よしとしない。先代以来の古い店員には必ず抵抗が起こってくるし、取引先にも一縷の不安が起こってくるのである。内外の不信を受けて店をつぶすこともあり得る。改革にはチャンスというものもあるから一概にはいえないけれども、新任早々、慌てるものではない。「ローマは一日にして成らず」というではないか。三年とは限らぬ。新任後しばらくは、先代のやった通りを真似するがいい。さすがに初代の経験の結晶である。まねるべき点は沢山あるはずである。
歳時記
寒露
10月8日。および霜降までの期間。 太陽黄径195度。秋分から数えて15日目ごろ。 寒露とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のこと。 秋の長雨が終わり、本格的な秋の始まりになります。この頃になると五穀の収穫もたけなわで、農家では繁忙を極めます。 露が冷たい空気と接し、霜に変わる直前で、紅葉が濃くなり、燕などの夏鳥と雁などの冬鳥が交代される時期でもあります。 この頃は、大気の状態が安定して空気が澄んだ秋晴れの日が多くなります。夜には月も美しく輝いて見えます。寒露の頃になったら、空を見上げてみてはいかがでしょう。これまでと違った、秋の清々しさと趣を感じる空に出会えるはずです。 |
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10月から咲く花「山茶花(さざんか)」
開花時期は、10/10 ~ 翌 2/10頃。 ・花の少ない晩秋から 初冬にかけて咲き出す。 長い間咲き、 正月を過ぎても楽しめる。 ・椿(つばき)の 漢名(中国名)の 「山茶花」が、 いつの頃からか このサザンカの名前として 間違って定着した。 読みは「山茶花(さんさか)」 →「茶山花(ささんか)」 →「さざんか」 というぐあいに変化したらしい。 上記から、 「山茶花」の漢字名も 本当は誤用。 (どこかで椿とサザンカが 混同されたのでしょう。 こういうのって、 一度定着したら軌道修正は ほとんど不可能ですね。 みんな、その間違ってる方 を本物と思ってしまうから) ・日本が原産地。 江戸時代に長崎の出島の オランダ商館に来ていた 医師ツンベルクさんが ヨーロッパに持ち帰り、 西欧で広まった。 学名も英名もサザンカ (Sasanqua)。 ・花はとてもよい香り。 ・花びらは1枚ずつ散る (「薮椿」は花ごと散る)。 開花時期は、 薮椿は春になってから、 山茶花は秋から冬咲き、 と異なる。 また、寒椿とは、 葉っぱも花も開花時期も ほぼ同じで なかなか見分けがつかないが、 背丈でおおよそ区別できる。 → 寒椿 (ただ、寒椿の中でも 背の高い「獅子頭」 などとは なかなか区別しにくいです) ・11月3日、12月4日の 誕生花(山茶花) ・花言葉は「困難に打ち勝つ、 ひたむきさ」(山茶花) ・「山茶花を 雀のこぼす 日和かな」 正岡子規 「山茶花の 花や葉の上に 散り映えり」 高浜虚子
(季節の花300より)
