町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

10周年を迎えた京王1000系1729F・レインボーラッピング編成

2022年11月06日 | 京王電鉄(電車・バス)

2008年から導入されている京王井の頭線の100056次車の内、1729F2012103日よりレインボーカラーの帯に戸袋部には沿線名所のイラストが描かれたステッカーを貼り付けた特別仕様の編成として運用を開始しました。当初は1年間の運用が予定されていましたが、2013年以降も継続され今年で遂に10周年を迎える事になり記念ヘッドマークが掲出されています。

7色の電車が走る路線として親しまれる井の頭線の中でも存在感を放つ1729F。この編成の登場時の前頭部とラインカラーはブルーグリーンで、側面はグリニッジブルーの細帯を組み合わせた2色構成でした。帯色がグラデーションになっている為、横から走る姿を見ると色が変化しているかのように見えます。

吉祥寺で3次車の1765Fとの並び。今回の10周年記念ヘッドマークは前後でデザインが異なっています。掲出は2023131日までと比較的長期間に渡り、20221123日には富士見ヶ丘検車区での撮影会も予定されています。

車内設備は特に手を加えられている訳ではなく、他の56次車と同一となっており、折角の特別仕様編成なのでもう少し変化が欲しいところです。写真は2020年の緊急事態宣言の発令中だった為、車内広告の大半が自社関連のものになっていました。

5次車で初めて採用になった17インチ液晶画面は当初は旅客案内用が1台のみでしたが、この1729Fからは2画面化され、動画広告やテレビ東京製作のニュース番組も流されるようになりました。

単一形式ながら製造時期による違いが目立ち、趣味的に興味深い1000系ですが通常編成の中でも目立つこのレインボーラッピングは継続して欲しいですね。願わくば5次車からも何らかのリニューアルを期待したいところですが…。

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21世紀に蘇った京王グリーン車・8000系8713F「高尾山トレイン」

2022年07月26日 | 京王電鉄(電車・バス)

京王電鉄では、世界有数の登山客を誇る高尾山とその周辺の更なる魅力向上を目指して2015424日に高尾山口駅リニューアル、1027日に同駅前に天然温泉施設「京王高尾山温泉/極楽湯」を開設し、沿線外へ向けて発信を行っています。その一環として同年930日より80008713Fに緑色をベースに高尾山の四季と若草の5パターンのイラストを配したラッピングを施し「高尾山トレイン」として運転を開始しました。かつて京王では初代5000系・3000系登場以前から運用していた車両に緑色の塗装を施しており、京王社内のみならず乗客からもグリーン車と呼ばれ親しまれていましたが、この高尾山トレインは広告電車であるものの、リバイバル塗装車(公式の文書にもグリーン車の2000系をベースにした旨の記述が有り)とも言えます。

車体のフルラッピングで大きく印象を変えた8713F。車体修繕工事・10両貫通化改造は比較的早めの20147月に施工されましたが、VVVFインバーター制御装置の更新は20227月現在も行われておらず、登場以来のGTOサイリスタを維持しており発車・停止時には独特の大きな磁励音を耳にする事が出来ます。

2017年には、第10回東京屋外広告コンクールの「建築物及び周囲の景観と調和の取れているもの」「デザインが優れ、人々に親しみを感じさせるもの」「関係法令に適合しているもの」を基準に選定される第4部門(車体利用広告)にて107作品の内から最優秀賞の東京都知事賞を受賞しています。これは大手私鉄では初の事例となりました。なお、高尾山トレインのベースになった2000系列を始めとする京王線系統のグリーン車は、原則特急・急行運用には入らず各駅停車専用の位置付け(初代5000系の車両不足時にアイボリー+臙脂色の帯に塗装変更され運用された実績はあります)でした。

こちらが元になったグリーン車の一系列である2010系デハ2015号車。2000系列は架線電圧の引き上げを見据えて1956年に登場した京王線初の高性能車ですが、2010系は経済性重視で付随車を挟むことを想定して1959年から製造され、主に戦前製の14m車両を付随車化して編成を組み、異様な凸凹編成は名物と化していました(1968年までにサハ新造と他形式からの改造編入で解消)。塗装の色合いは時代によって変化しており、1950年代まではダークグリーン、1956年登場の2700系からライトグリーンになり、1965年頃から更に明るいスタンリットライトグリーンと称する緑になりました。19841118日の2010系引退で完全に消滅しています。

車内設備は通常の修繕車と特に変わるところは無く掲出している広告物も登場から暫くの間、高尾山関連の物で統一されていた時期もありましたが、他編成と同じ扱いになりました。

ステンレス車体と色帯で統一され、全体塗装車が消滅した京王線の中は一際目立つ存在ですが、今後とも末長く運用されることを願いたいですね。筆者個人の欲を言えば、900030番台でアイボリーホワイト+臙脂色の細帯と井の頭線1000系後期車のグリーン車再現を強く希望します。

 

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往年の京王線ハイキング特急 "陣馬"と"高尾"

2022年06月30日 | 京王電鉄(電車・バス)

かつての京王帝都電鉄では、休日のシーズンダイヤで「陣馬」「高尾」のヘッドマークを掲げた特急を運転していました。京王沿線の代表的な行楽地として知られる陣馬高原と高尾山へのハイキング登山客を運ぶことを目的としており、主に初代5000系が充当されていましたが、1980年代に入ると6000系もこの運用に就く姿が見られました。1992年以降は8000系の6両+4両により高幡不動で分割併合を行う京王八王子・高尾山口行きの特急が運転されるようになりますが、休日のヘッドマーク掲出はされなくなってしまいました。しかし、2007年の高尾線開通40周年を記念し80009000系に掲出し久方ぶりに復活、京王電鉄100周年を迎えた201342729日・536日に実施の高尾・陣馬スタンプハイクには700080009000の各形式に掲出され鉄道マニアを歓喜させました。本年2022年は80002編成に掲出される事になり、「陣馬」を8006Fに、「高尾」を8010Fにそれぞれ掲出し、429日〜630日の約2ヶ月に渡り運用され注目を集めました。

「高尾」マークの8010F。高尾線開通後の1967年から1992年まで運転され、当時は午前中の高尾山口行き下り特急に掲出していました。なお今回は陣馬・高尾共に運用上の区別は無く各停や相模原線運用にも入ります。東京都心からのアクセスが良好な為、人気を集めている高尾山ですが、20093月発行のミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星評価とされた影響もあり、近年は更に観光地としての地位が高まっています。

「陣馬」の8006F。こちらは京王八王子行きで、終点の京王八王子では陣馬高原下行きの西東京バスに接続(現在の陣馬高原下行きバスは霊園32系統として高尾駅発着)していました。なお、陣馬山は東京都八王子市・神奈川県相模原市との都県境に位置する山で、広々とした頂上から陣馬高原とも呼ばれており、1969年には観光地として売り出す為に京王自身により白馬の像が立てられています。

本来なら京王5000系による特急を掲載したいところですが、筆者の生まれる前のことなので富士急行の撮影会で元5000系改め1000系リバイバルカラーに取り付けられた姿を。車体塗装が京王時代のカラーなので当時の雰囲気は伝わるかと思います。

陣馬はヘッドマークの形状が異なりますが、8000系に掲出しているものは前面形状に合わせて新調したことによります。陣馬のヘッドマークはサイズ以外にもイラストの違いで、写真のものと合わせて少なくとも3種類のデザインが存在したようです。

久方ぶりに復活した往年の陣馬・高尾ですが、やはり大きなイラスト入りヘッドマークが掲出されると撮影するのも面白く、行楽地へ向かう非日常的な感覚がより強まります。本日30日で最終日ですが、今後もまた行楽シーズンの実施に期待したいですね。

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愛と夢とで、できた国への誘い~京王9000系30番台・サンリオキャラクターズラッピングトレイン~

2022年06月09日 | 京王電鉄(電車・バス)

京王電鉄では、2018104日に900030番台1編成をサンリオキャラクターズのフルラッピングトレインとして運転することを発表し、多摩市市制記念日並びにハローキティの誕生日でもある111日より京王線〜都営新宿線で運転を開始しました。この取り組みは、国内外の観光客にサンリオピューロランドがある多摩市への誘致を狙うべく京王電鉄・サンリオエンターテイメントと多摩市によるコラボレーションで実現した地域活性化プロジェクトです。運転開始日には京王多摩センター駅で記念セレモニーも実施され、大きな注目を集めました。

ラッピングトレインに抜擢された30番台の第1編成である9731F。運用範囲が広く、より多くの利用者にPR出来る為、都営新宿線直通対応編成が指定されたようです。京王とサンリオは何かとタイアップを行うことが多く1998年頃から2012年後半頃まで、ドアの注意喚起ステッカーにハローキティとその妹のミミィを起用していた事もありました。また2016年には京王多摩センター駅構内をピューロランド仕様に改装することに合わせて同年3月12日から8月31日まで9749Fにラッピング(この時は車体にリボンや京王の制服を来たキャラのイラストが貼られるに留まっていました)を施した事がありましたが、期限を定めないフルラッピングトレインは今回が初の事例です。

普段は橋本〜本八幡間の運用が中心で滅多に日中に調布以遠には来ない9731Fですが、直通専用に固定されているわけではないので時には京王線特急運用に就く姿も見られます。当初は先頭車にヘッドマークの掲出がありましたが、現在は外されました。なお、実現に当たっては東京都屋外広告物条例が壁になるところですが、キャラクターの占有面積を厳守し下地のピンクは「京王電鉄のカラー」としてクリアしているとのことです。

車内設備は前回記事にした後期車(9736F以降)と比較すると、貫通路幅が狭い他、車内案内表示がLEDスクロール式であること、手摺り形状やドア手掛けの位置も異なります。花とキャラクターのイラストが描かれたドアステッカーは9731Fだけの特別仕様で、運転開始からしばらくは広告物もサンリオ関連で統一されていた時期がありました。

9731F〜9735Fの5編成の車内案内表示器は京王線用8両編成と同様にLEDスクロール式で行先・次停車駅・開扉方向などを表示しており、都営新宿線内の表示にも対応しています。

首都圏での大手私鉄でキャラクター物のラッピング電車は珍しい存在ですが、これより約4ヶ月前には山陽新幹線で車体のラッピングは勿論大幅に車内を改装した列車が登場しました。今や「Kawaii」の代名詞として英語圏でも親しまれ日本を代表するキャラクターとしての地位を築いたハローキティですが、そのブランド力の強さを改めて感じさせられます。

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前照灯のLED化が進行する京王9000系

2022年06月05日 | 京王電鉄(電車・バス)

8両編成8本と比較的少数の製造に終わった9000系の京王線専用0番台は、各駅停車を中心に時折70002両編成を増結した10両で特急運用に就く姿が見られる以外は基本的に動きの少ない形式でしたが、2020年の9月頃より前照灯をLED化する工事が開始され、8両に関しては全ての編成が完了し、先頭車の表情に変化が生じています。

高尾山口行き各停運用中のトップナンバー9701F。前照灯がハロゲンからLEDに交換され、点灯時は白い光を放つようになった為イメージが変わりました。8000系でも車体修繕とは別で施工され、既に全編成が換装を終えていますが、その流れが9000系にも及ぶことになりました。

上り各停運用中の9705F。以前に全く同じ場所でハロゲンのままだった編成を撮影していますが、光の色だけでなくライト本体の形状も小ぶりな円形になっている為、随分印象が違います。この工事は既に都営新宿線直通対応の30番台にも及んでおり、9731・9732Fが換装されています。

高幡不動検車区で待機している97039704F(ホーム上から撮影)。珍しく続き番号の2編成が並ぶシーンです。非点灯状態だとライトの形状が良く分かりますね。なお一番最初に換装されたのは、左の9703Fでした。

登場から20年が経過しましたが、余り変化していない車内。8000系全編成の車体修繕・機器更新が完了すれば次の工事対象は90000番台になるのが自然なので、工事発表を楽しみに待ちたいと思います。(その前に自動放送を設置して貰えませんかね・・・)

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