町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

将来の動向が気になる小田急2000形(後期車)

2022年09月13日 | 小田急電鉄

1000形と同一の正面スタイルながら走行機器類や車内設備を一新して1995年より運転を開始した2000形は、1994年度末に20512052F1998年度に2053F20002001年度に20542059Fと段階的に増備されながら8両編成9本の72両という少数派に留まりました。本数の割に細かい小改良がされており、2053Fから通過標識灯の廃止、2054F以降からはUVカットガラス採用による側面窓ブラインド廃止(他編成にも波及)7人掛け座席へのスタンションポール新設、優先席部の荷棚と吊り手高さ変更、車椅子スペース位置変更など編成間で数々の差異が見受けられます。近年は2059Fを除いて座席袖仕切りの大型化や行先表示器のフルカラーLEDへの換装、帯色のインペリアルブルー化、またVVVFインバーター制御装置のソフト改修が実施されていますが、抜本的なリニューアルの予定は無いようで、運用に制限がある8両固定編成という事もあり先行きが気になる形式になりました。

20011月25日に登場した2057F2600形の8両編成を置き換える為に増備されたグループで、1998年の通過標識灯廃止を受け当初より設置が省略されました。20002001年は増備のペースが上がりましたが、2001年度中に3000形の登場が決定していた為そちらに移行してしまい増備は終了、当初計画されていた千代田線直通対応の10両編成も実現することはありませんでした。

20001228日登場の2056F。小田急通勤車両では20世紀に製造された最後の編成です。2054F2059Fまでは殆ど間隔を開けずに急ピッチで増備されました。1000形の時も日本車輌製造・東急車輛製造・川崎重工業の三社で分担して製造しましたが、2000形も前例を踏襲し、各メーカーに3編成ずつ均等に発注しています。

後期車の車内設備。以前に記事にした初期車と比べると当初からスタンションポールが設置されていた為、座席袖部に併設された曲線の手すりとは形状が揃っていないのが特徴です。また先頭車は車椅子スペースが車端部から乗務員室寄りに移設されました。

登場時は画期的な設備だったLEDによる車内案内表示も液晶画面が主流になった現在では前時代的印象が否めません。

本来なら2000形もリニューアルを実施してもおかしくない年代に差し掛かっていますが、1000形のリニューアル完了+未更新車全廃後は30003次車6両編成の3265Fがリニューアルの対象になりました。これの意味するところは、2000形と3000形1・2次車、LED車内案内表示器を搭載する3次車8両編成には大規模な更新はしないものと受け取る事が出来、特に江ノ島線や小田原線新松田〜小田原間で各駅停車に使用出来ない8両は将来的には新形式での置き換え廃車も視野に入れているのかも知れません。まだまだ予想の域を出ませんが、これからの動向に注目ですね。

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小田急電鉄・最後の“1000形未更新車2編成”撮影会開催、未更新車両は全廃へ。

2022年09月11日 | 小田急電鉄

去る202294日、海老名検車区内に於いて小田急1000形未更新車の撮影会が実施されました。同形式は2015年より大規模リニューアルが開始され、ワイドドア車36両を除いた160両に施工する旨が発表されていましたが、途中から計画が変更され1081Fを皮切りに2020年から順次廃車が進められる事になり、1251F6両と箱根登山カラーの1058F4両が残るのみとなっていました。今回の撮影会はこの両編成の定期運用終了〜廃車に伴うもので、最後の2編成並びの機会になりました。

今回で運用離脱となる1251F1058F。前者は198812月に初の千代田線直通対応編成として登場し、乗り入れ時は主に1061F4両と組んだ10両編成で運用されました。後者は同年2月に小田急線の輸送力増強用として主に4両+4両の各駅停車を中心に使用されました。箱根登山カラー化は2011年に実施されています。撮影会では1251Fのみ種別・行先表示のリクエストを募っており、私の参加した回では写真の快速急行秦野行きが第1位だったようです。

3位だった準急綾瀬行き。やはり1000形といえば印象に残る運用は、運番を表示しての千代田線への直通列車をイメージする方は多いのではないでしょうか。多摩急行幕が消滅しているのが惜しまれますが、やはり1000形には準急表示や種別無表示の千代田線内運用が似合います。

1051Fと併結した10両編成で快走していた1251F。撮影時は2020年上旬の緊急事態宣言発令直前でしたが、この頃は1000形の廃車計画が明らかにされていなかった為、8000形より先に消えて行くとは想像出来ませんでした。なお、撮影会終了後は秦野市内の小学校の修学旅行臨時列車に用いられ、有終の美を飾りました。

一足先に消滅したワイドドア編成(1752F)。このワイドドア車36両と標準ドア車160両を合わせた計196両の大所帯で平成前期の小田急を代表する主力車両として君臨しましたが、12511058F2編成が消えた後は98両の比較的小世帯になり、編成も4両と10両の2種類のみとなってしまいます。次からは安定した活躍を見せて来た8000VVVF化改造編成の廃車が進められると思いますが、今後は5000形増備に伴う在来車の動きに注目ですね。

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小田急1000形1051Fによる団体臨時列車が運転

2021年10月24日 | 小田急電鉄

2代目5000形の登場による廃車で消滅が近づいて来た小田急1000形の未更新車ですが、102324日の両日に小田急トラベルの主催によるツアーが開催されました。今回は「小田急の電車撮影会 最後の4両未更新車オリジナルカラー編成」と称し唯一リニューアルを施工されずに残る1051F4両編成を用いて、唐木田〜新宿〜相武台前の行程で特別運転を実施し、相武台前の留置線で撮影会を行うものでしたが、今や珍しい存在になりつつある1000形の未更新車が4両の短編成で都心へ姿を見せる貴重な機会ということで、撮影に行って来ました。

通常では有り得ない4両単独で複々線区間を快走する1051F。上り急行と裏被りしてしまいましたが、まぁ記録ということで良しとしましょう。この編成は既に廃車になった17511752Fと共に検測車クヤ31への電源供給対応車でしたが、後任は80004両編成が担う事になり既に最後の検測運用を終えてしまいました。

唐木田駅から多摩線を上る場面を黒川駅で。この時期は午前遅め〜正午に掛けて栗平・黒川・はるひ野の何れの駅でも綺麗な順光で撮影することが出来ます。しかし本日は脚立や踏み台を使用している撮影者が多く、係員から再三の注意を受けても無視していたり、また23日には線路内へ立ち入った者がいたため緊急停止したとの報告がTwitterにありました。多くの人がマナーを守って楽しんでいる中でこうした事が起きているのが残念でなりません。小田急に限ったことではありませんが、このような事態が繰り返されない事を強く願います。

6両編成と連結した10両で急行に充当される姿は珍しいものではなく、カメラを向ける人も少なかったと思いますが、少し前の写真でも今や懐かしの記録になってしまいました。次に10両編成を組むのは113(文化の日)と、116()7()の両日になりますが、これが最後の機会になりそうです。

まだ全車現在だった頃に撮影した車内。かつては寒色系を用いた車内が主流だった小田急通勤車のイメージを一新しましたが、バリアフリー化の進行や案内表示の充実で現代の水準では時代遅れになってしまいました。4両編成の主な活躍の場になっていた箱根登山線小田原〜箱根湯本間にもリニューアル車が進出しており、一つの時代が終わりに近づいている実感が湧いて来ます。

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残り2編成…終焉が近づく小田急1000形ワイドドア車

2021年08月17日 | 小田急電鉄

5000形の導入と入れ替わるように続々と廃車が進んでいる小田急1000形の未更新車ですが、休車扱いになっていたワイドドア車の1755Fが廃車になってしまい、この記事を書いている時点では主要な機器の撤去作業を行っています。これで現在も残るワイドドア車は1754F1756F62編成となりましたが、今年度は更にもう1編成の5000形の増備が予定されている為、更にまた廃車が出る事が予想され遂に消滅までのカウントダウンに入ったと言えます。

雨模様の空の下、ホームグラウンドとなった感がある江ノ島線の各停運用に就く1754F。登戸駅にもホームドアを設置した為、向ヶ丘遊園より先の区間での営業運転は不可能になってしまいました。

2019年に撮影した多摩線でも頻繁に運用されていた頃の1756F、離合しているのは標準ドアの1254Fです。前述のホームドア設置の影響で多摩線運用は激減し、相模大野よりも東の区間で姿を見る機会は殆ど無くなっています。

クヤ31牽引対応ながら1751Fと共に早々に廃車になってしまった1752Fの在りし日の姿。現在の江ノ島線では未更新の標準ドア車も運用に入る機会が多く、このような並びを今でも見る事が出来ます。かつてはありふれた並びのシーンですが今や珍しい光景になってしまいました。

(※この写真のみ再掲載)改造に改造を繰り返し、結果車内と車外でドア幅が異なって見える不思議な内装もいよいよ見納めです。ラッシュの切り札として設計された広いドアが仇になってしまった形ですが、こうした車両は二度と現れる事は無いでしょう…。全廃まで残り少なくなりましたが、最後までその活躍を見守りたいと思います。

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小田急1000形・東京2020オリンピックラッピング編成

2021年05月01日 | 小田急電鉄

未更新車の相次ぐ廃車やリニューアルに伴う編成組み替えなどで注目を浴びる小田急1000形ですが、10両編成の1096F2020東京オリンピック・パラリンピックのラッピングが施され2021123日より公式の予告無く突如走り出しました。

他社でも見られるオリパララッピング編成ですが小田急では車体の下半分をアイボリーとし、その中に公式マスコットであるミライトワとソメイティの装飾を施して正面には東京2020のエンブレムを表示しています。アイボリー部の色合いは鋼製車の塗装に近く、下半分だけリバイバルカラーのような趣になりました。

何故ラッピングが車体の下部のみなのかは気になるところですが、恐らく東京都の条例を考慮してこのような仕上げになったのかと思われます。アイボリーホワイトと言えば未だ8000形に見られるように小田急通勤車両の象徴でもあるので、何れこのようなラッピングでの本格的リバイバルカラーの再現も期待したくなりますね。特にいつまで運転されるかアナウンスはありませんが、オリンピック閉会式までは運転されると見て良いでしょう。

おまけに、最近になりリニューアル4両編成を2本連結した8両が組成され各駅停車で運用されています。かつては当たり前に見られた1000形の組成ですが、10両編成化の進捗ですっかり珍しい姿になりました。

1000形のリニューアル4両編成は10両編成組成時の連結相手が30003次車以降の6両に限定されている為、同形式同士の先頭車が向き合って中間に入る場面は希少なシーンになっています。

 

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