町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

登場から60年、今なお現役の江ノ島電鉄300形

2020年02月23日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

本日、2020(令和2)年2月23日は、今上天皇即位後初めての誕生日となりました。謹んでお祝い申し上げますと共に、波乱続きの令和の御代の平穏と皇室の弥栄を心よりお祈り致します。

さて、今日の記事は奇しくも今上天皇と同い年を迎える江ノ島電鉄のスター300形305編成です。つい最近は極楽寺検車区で編成を分割した姿が目撃され、廃車説も囁かれ冷や汗が出たものでしたが、補修工事の為に入場したらしく、再び車体の輝きを取り戻し運用に復帰して元気な姿を見せるようになりました。

最大で6編成が在籍し、江ノ電の主力車種だった300形ですが、何れも形態や遍歴が異なり単車の100形を大改造した編成(302303304編成)と都電からの譲受車(301306編成)を改造した編成、そして台枠のみ京王初代2000形(※現存する保存車は2代目)より流用し車体や走行機器を新造した写真の305編成と、バリエーションに富むことが特徴でした。

改造に改造を繰り返していることが災いしたか、車体の傷みや老朽化で他の編成が引退して行く中で、この305編成はしぶとく生き残り現在も最も江ノ電らしい車両として広告への起用やマスメディア露出が多く、イメージリーダー的な地位を築いています。

映画“DESTINY 鎌倉ものがたり”のタイアップ企画でヘッドマークが付いた305編成。藤沢方は“現世”行きですが、鎌倉方は“黄泉”行きでした。

首都圏では極めて珍しくなった板張りの床が残る車内。側面のバス窓と共に、レトロな雰囲気を醸し出していますが、これも人気を集めている理由の一つです。

新造車はいえ、台枠のルーツは京王電鉄の府中~京王八王子間の前身だった1925年登場の玉南電気鉄道1形(→1944年に初代京王2000に改番)まで遡ることが出来、その新造車体も1960年製であることから、首都圏全体でも最古参車両の部類に入る車両になりました。現状では徹底した整備で、安全上の問題が無い限り運用する方針のようですが、それでもやはり60年に達すると老朽化も気になるところ。特に台枠が何らかの理由で破損した場合、再起不能になってしまう為、いつ何があってもおかしいことは無い状況です。鎌倉観光の際は、狙って乗車や写真撮影をじっくり楽しみたいですね。

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