町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

車体カラー変更でイメージ一新、JR西日本321系

2024年04月07日 | JR西日本

JR西日本が管轄する東海道本線・山陽本線の主に京都〜西明石間で運転される各駅停車には1994年より現在も主力の207系の他に国鉄時代の1982年より201系、1986年より205系が投入され運用されていました。しかしこれらの形式は導入から20年余が経過し、207系も量産先行車が初登場してから15年近く過ぎて社会情勢の変化を受け、これらの形式に代わる新型車両として2005年に本系列321系が登場しました。2007年3月18日には全編成が出揃ったことで201・205系を完全置き換え、翌年2008年3月15日からはJR東西線乗り入れを開始し2010年3月13日には学研都市線(片町線)同志社前〜木津間のホームを7両編成に対応させる延伸工事が完了したことで京田辺での分割併合が廃止された為、快速運用にも充当されるようになり207系と運用が共通化されています。

207系のイメージを引き継ぎながらも三角形の包み込むような装飾やフォグランプの新設などで新しい印象になった正面デザインの321系。編成は6M1T組成ですが、電動車片側にのみ主電動機を搭載する「0.5Mシステム」により207系の3M4Tと出力を揃えながら将来的な他線区の転用や車種変更を容易にする為、各車両とも構造は極力統一され、どの車両も主制御装置や空気圧縮機など機器の搭載に対応している特徴を持ちます。

計画では7両編成36本製造とされていましたが、2005年4月25日に発生した尼崎脱線事故により207系0番台4両・1000番台3両に廃車が発生し、この事故を受けて207系の外装デザイン変更に伴う運用離脱の発生やダイヤ構成見直しなどから必要な編成数が増加し39編成273両が新造されました。本系列も完成時のイメージイラストでは車体のカラーは207系と同様に青と水色のラインを配していましたが、落成直前に紺色とオレンジの現在の装いに変更されています。

車内設備はロングシートで、配色は淡く白に近いグレーと濃いブルーの座席の組み合わせでしたが、座席モケットは2010年の春頃から緑系に改められ、吊り手は2011年から増設され現在のオレンジのものに交換されたことでイメージが大分変化しています。座席袖部は手すりと小型の板で構成されていますが、見ての通り仕切りの役割を余り果たしていない何とも中途半端な造りになってしまっており、なぜ普通の大型仕切りにしなかったのか謎な部分です。

車内案内表示はロングシート車ですがドア上ではなく、天井部に19インチ画面を2台ずつ枕木方向に設置しており、液晶画面による案内表示はJR西日本の一般車両で初めての採用です。当初は日本語・英語のみの表示でしたが2016年に改修され、中国語と韓国語の表示も行うようになりました。

来年で登場から20周年を迎える本系列ですが、207系が体質改善工事を受けている現状に加えてJR東西線に4ドア車用ホームドアが設置されたので、長い間活躍が見られると思いますが、いずれ登場する後継形式は323系を4ドアにした亜流になるのか、全く新設計になるのか気になるところです。

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