中央本線、房総半島各線への特急列車には国鉄時代から引き継いだ183・189系が主力として使用されていましたが、2000年代が近付くと老朽化も目立つようになって来た為、置き換えが計画され快適性の向上に主眼を置いた特急型電車としてE257系列が開発されました。当初は2001年より中央本線「あずさ・かいじ」用に0番台車が導入されましたが、房総半島各線の特急「さざなみ・わかしお・しおさい(あやめにも2015年まで充当)」で運用するべく普通車のみで構成される500番台が登場しました。5両編成と首都圏で運用の特急電車にしては短編成ですが、列車や時期により2編成併結の10両編成になる運用も設定され需要に応じ柔軟な対応を可能にしています。
身軽な5両編成単独で海沿いの京葉線の高架線を快走するNB-03編成。車体のカラーは白で夏のビーチ、青で深い太平洋、黄色で陽光と菜の花をイメージしており側面扉横にはbosoのbと幕張新都心の建造物をモチーフにしたロゴが入っています。
基本番台では非貫通先頭車が存在しましたが、500番台では両先頭車共に常用貫通路と自動分併装置を備えて2編成併結に備えています。2004年10月16日から運用を開始し、約1年後の2005年12月10日には房総半島方面の特急用183・189系を全編成置き換えました。
10両編成で総武本線の複々線区間を行くNB-2編成他の10両(後部5両車番不明)。登場から10年余りは安定して活躍していましたが、転機が訪れたのは2015年3月14日ダイヤ改正による特急の削減で、NB-10〜NB12の3編成が所属は幕張車両センターのまま豊田車両センター常駐とされ、富士急行線直通列車に充当されることになりました。2019年にはホームライナー廃止で更に2編成が余剰となり、4編成(NB-06・07・13・14)が修善寺行き踊り子向けの2500番台に、豊田車両センター常駐分+2編成(NB08〜12)が波動輸送用の5500番台に改造され、特に5500番台は高崎線系統の「あかぎ」「草津・四万」で定期運用を開始しています。
車内設備は2人掛けリクライニングシートが並ぶオーソドックスな仕様で座席モケットは海をイメージしたと思われる青色系です。快速列車などに充当の際には枕カバーを取り外して運用します。
登場から19年目に入るE257系500番台ですが、あまり経年も感じさせずフレキシブルな運用に対応可能なことから今後も相当長く活躍しそうですね。