209系の実績を踏まえて開発された首都圏新系列電車第2世代のE231系は2000年度より量産車が登場しますが、一番最初の導入となったのは中央総武緩行線で、同線に残っていた103系の置き換えに充当されることになります。2006年には京浜東北線の209系試作車の900番台3本の置き換えの為、幅広車体仕様の209系500番台車が転出することを受けてE233系の設計を一部に反映させた増備車3編成が登場、2015年には上野東京ライン開通に伴う運用増加でB20・B21編成が常磐線快速に一時的に転用されるなど目立った動きはありつつも大多数の編成は中央総武緩行線での運用が続きました。しかし2017年より山手線にE235系量産車を導入することが決定し、捻出される山手線のE231系500番台を中央総武緩行線に転用の上で0・900番台車と209系500番台は武蔵野線、八高・川越線へ転用されることになり大きな動きを見せました。一方で10両編成6本は付随車(サハE231+6扉車サハE230)を電動車ユニットに差し替えて引き続き山手線からの転属車であるE231系500番台と共に現在も運用が続いています。
現在は全車両が4ドアで統一され6M4T組成に改められた0番台。電動車ユニットは八高・川越線に転用された編成の車両で、写真のB11編成はサハE231-31とサハE230-11を外し元B5編成のモハE231-9+モハE230-9を組み込んでおり、転用先が無いサハは全て廃車になりました。
上の編成とは一つ違いのB10編成。この編成は元B7編成のモハE231-13+モハE230-13を組み込んでいます。この0番台はB10〜B12・B14・B26・B27の6編成が在籍し運用が続いています。既に登場から20年以上経過しているので、車両の入れ替わりが早い首都圏のJR東日本では古参の部類に入りつつある車両です。
たまたま捉えられたE231系900番台車と同500番台のすれ違いシーン。E231系900番台は当初209系950番台として1998年に登場し、試作車としての役割を持っていた為電動車が三鷹寄り・千葉寄りで三菱電機・日立製作所の異なる制御装置を搭載していたり側面窓が209系500番台と同一になっている、パンタグラフが量産車とは互換性の無いものを搭載するなど数々の相違点がありました。現在は8両編成化され京葉車両センターに在籍し武蔵野線のMU1編成として活躍しています。
0番台車内設備。座席モケットの色彩など209系500番台で確立した仕様を踏襲していますが、化粧板がより白に近くなり明るさが増している他7人掛け座席部の側窓が全て開閉可能になっています。一段表示のLEDによる車内案内表示やクッション性が余りない座席など2世代前の車両であることを物語る部分が目立ちますが、車両性能面などは特に問題無いので今後も長く活躍が続くと思われます。
比較的まとまった数が捻出されるので良さそうな案ですね。さすがに都心乗り入れ路線では設備も見劣りするようになってしまいましたし。