二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

"Indian camp"

2006-12-16 01:34:59 | 「Dr.コトー診療所」
Dr.コトー診療所2006が、最終回まであと1回です。
今回の話が、いつもより緊迫していて、そりゃ最終回前は、ドラマは盛り上がるものなんだけどさ。
心臓に悪いよ~。。。
こんなに、ドラマに入れ込んでいる自分も、暇人だな、と思うけど。

観ながら、思い切り感情移入してしまった50分間。
白衣に時々目をやりながら、黙々とラーメンを食べるコトー。島の人間には決して見せない、何ともいえぬその表情。(いろいろなことに傷ついて、かすかに切れ気味にも見えるぐらいだった。無表情のまま泣くかと思ったが、さすがに泣かなかったな。)

どの場面も心に残った(病院での彩佳の壮絶な憔悴した表情も。。。星野家の両親のことも)が、一番切なかったのは、コトーが原の船で、島を離れた場面。

「きれいですね。。。僕は、こんなきれいな島に住んでいたんですね。。。」

波間に見え隠れする(すげー波だ)島の青い影を見ていると、なんだか、コトーが2度と島に帰って来れないのではないか、と思えて、悲しくて仕方なかった。
蜜月の終わり。人生の蜜月は、苦しさと優しさと激しさと一緒に、またたくまにすぎていく。

だれだったっけ?「人生は、蜜月のうちに終わってしまう」と言ったのは?

すべての人が、愛しくて、失いたくなくて、でも、とどめておくことのできない時間の流れを、鳥肌が立つほど感じてしまった。


最後に蛇足。
表題の"Indian Camp"、昔、英語の教科書かなんかで読んだ覚えがある。ヘミングウエイだっけ?

難産の妊婦が、苦しみながら、一晩中かかって出産する。
足を折って、上のベッドに寝かされていた夫は、妻の苦しむ声に耐えきれず、自ら首をナイフでかき切って、事切れた。
赤ん坊が生まれて、初めてその事実に気づく、医師とその息子。家族たち。

時として、自分の痛みよりも、他人の痛みの方が、堪え難いこともあるのかもしれない。それは、偽善なのか、弱さなのか。それとも、、、

人間の基本は、「他人の痛みは100年でも我慢できる」だと思うけど、さ。


あのとき、不思議すぎて共感できなかった夫の苦しみを、コトーを観ていて、唐突に思い出すのだ。(何十年ぶりか、わからんが、、、)

生きていくのは、すてきなことなのだな、、、逆説的ではなく、むしろ、心から、そう思ってしまう、今日この頃。

(相変わらず、壊滅的に文章力がないよー。。。)
コメント
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