どうも。
「大仏開眼」後編(地上波放映)ご覧になりましたか?
本当に本当に素晴らしく充実したドラマでした。
おいらは、すでにBS-hiで一回見ていましたが、地上波は、久しぶりに家族一緒に観ることができ、最近あまりドラマに興味を示さない家族が皆、最後まで興味を持って観ている様子を見て、とても嬉しかったです。
ドラマ的にも映像的にも、トリビア的にも、とても胸に迫る内容でした。
そして、音楽にも、鳥肌が立つほどの感動を覚えた。
千住明氏の雄大なセンスに、心から脱帽。特に、声明とオーケストラの融合したエンディングは、音楽という宇宙における東西文化の「奇跡的調和」を感じ、こんなところにも、文化が大きく化合・融合していた奈良時代らしさを感じた。
改めて、NHKスタッフの皆さん、全ての関係者の皆さん、そして、出演者・裏方の皆さん、素晴らしいドラマを創り上げてくださり、ありがとうございました。
ふと思いついて、NHKの公式ホームページを見たところ、脚本の池端俊作氏、ディレクター(演出)の田中健二氏、チーフプロデューサーの城谷厚司氏のコメントが、新たに書き起こされていた。そのコメントがまた素晴らしくて、「製作者の皆さんの決意と思いは、映像を通して、視聴者に十分伝わっていた」と感じ、読んでいてさらに嬉しくなった。(urlは以下の通り)
http://www.nhk.or.jp/osaka/daibutsukaigen/staff/index.html
特に、池端氏が「全部わかっていて」あえてあのような物語を創った、ということは、とても嬉しかった。池端さん、ついていきます!と言いたくなったぐらいだ(^-^;)(阿倍内親王を「皇子(みこ)」と呼んでくれたことも、すごく嬉しかった!)
ただ、池端氏は、真備が大仏造営に反対したことを「仕分けをした」、という表現で説明していたが、おいらは、吉備真備が大仏造営に反対したことと、昨年テレビや新聞で見聞きした「仕分け」の顛末とは、意味が違うように感じた。(きっと池端氏は、「仕分け」というわかりやすい表現を使うことで、「現代と通じる物語」としてのこのドラマの特性を強調したかったのだろう。それについては、納得している。)
補足すると、政治家が自分の「信条」「価値観」をもとに行ったようにしか見えない「仕分け」にはおいらは納得できなかったが、真備が、国家財政の詳細を把握した上で、国の状況や進むべき道を判断して「上奏」するのは、共感を持って見ることができたんだ。(仕分けが本当にそうであったかどうか、無知な一般市民のおいらには言えることではないので、気分を害した人がいたら、すみません。でも、彼らの高圧的な物言いと態度が一方的すぎて、おいらの目には、そう見えてしまったんだ。)
それにしても、大仏造営に反対していた真備が、あれだけの知性と判断力を保ちつつ、やがて、他の人々の大仏への気持ちを理解し、共感する(最後には大仏に手を合わせる)に至る過程は見応えがあった。この物語の人物達は、「善玉」「悪玉」のようなステロタイプではなく、皆、それぞれに成長し、変化し、生きているのだ。それが描かれているのが嬉しかった。
文句なしに、ここ数年間観た大河ドラマ・スペシャルドラマの中でも、珠玉の出来。このドラマを見ることができて、よかった!^-^
そう言えば、、、見終わって興奮が一段落した時、ふと思った。
「望んだことがかなっちゃったな」と。
昔、思ったんだ。
いい大河ドラマが見たい。それも、吉岡秀隆主演で、と。
そして、もう一つ思ってたんだ。「吉岡秀隆には、いつか、ヤン・ウェンリー(銀河英雄伝説)みたいな役を演じてもらいなぁ」なんて。
吉備真備、って、半分以上ヤン・ウェンリーのモデルだな。。。長生きしたところが違うけど(苦笑)。優れた軍師だからこそ、戦いを避けようとする、知的な学者。権力を欲して戦いを辞さない仲麻呂を相手にして、委ねることで内乱を避けようとし「ならば、あなたに任せます」と身を引いてしまえる、素直で欲のない心の有り様。
吉岡秀隆の持っている、知的で穏やかな雰囲気、語らずとも心の揺れ動きを伝える繊細さ、そして、今回の役では、激しい場面での凛とした気迫までもが、印象的に際だっていたと思う。
共演者達も、ものすごいレベルの高い演技者ばかりで、セットも衣装も小物もカメラワークも見事で、観ているだけで幸せでした^-^
そして、孝謙天皇は、おいらが信じてるイメージのままで、とても嬉しかった。(色々な後世の書物はどう考えても脚色が過ぎて誹謗中傷にしか見えんので、おいらは、その辺が誇張されたドラマや本が嫌いだった。今回、孝謙天皇が敬意と配慮を持って描かれていたのが、最高に嬉しかったっす。)
願わくば、同じキャストで、もっと長い物語が見たかったなぁ。。。
それくらい、素晴らしい物語でした。
「大仏開眼」ぼくらも、それぞれの道に、開眼したいね。
よい世の中になるように。
「この世のことは、手を下すしかあるまい。この有様をみれば。」
行基殿の言葉が、胸に残っている。