株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

ヘッジファンドはいつも勝者か??

2005-05-01 10:01:27 | 金融全般
今日の日経の読書欄にヘッジファンドに関する本の紹介があった。そのヘッジファンドを主宰するジュリアン・ロバートソンという人物は、90年代半ばに綿密な調査の上、銅が下落すると読んで大量のカラ売り注文を出し、何と1日で3億ドルも儲けたそうである。その裏には当時新聞にものった住友商事の銅の不正取引があった。ところが、このヘッジファンドも1990年の米国ITバブルの際、あまりの株の高騰に翻弄され崩壊したという。それまで20年にもわたって圧倒的な運用成績を出していたファンドである。LTCMの破綻の裏にも、ロシアの信用リスクがゼロと見なしたノーベル経済学賞を受けた経営陣の判断があった。

これらのことから教訓を引き出すつもりはないが、プロでもこのような錯誤に陥るのが相場の世界であることは確かのようである。そういえば、機関投資家の場合も長年の運用成績を調べてみると数%程度の収益として平準化されるとの話も聞いたことがある。機関投資家なりの制約、-たとえば、小型株を買って値をつり上げるのは簡単だが、その買い上げた株を処分するのは困難-、があり、また予期せぬ変動に対しては、だんだんと投資の判断基準が狂い出すであろうことも、上記のヘッジファンドの例を見てもありうることだと言えそうである。何しろ、運用収益を上げれば上げるほど評価される世界である。実績が伴えば伴うほど自らの力をさらに過信していくことは容易に想像できる。ところが、市場はゼロサムゲームの世界であり、いつ何時、別の勝者に足をすくわれるかもしれない修羅場である。

私もここのところロジコムやディスリーで損失を出してしまった。株を甘く見ることなく、絶えず投資手法を見直し、何が原因で失敗したのかを正しくみつめながら、「負けるリスク」だけは最少にしていきたいと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする