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写真は演出家の杉田成道さん、満1歳になる4人目のお子様です。
中日新聞のエンタ👁というコーナーに、演出家の杉田成道さんが
「なるようになる、かな」というタイトルでエッセーを書かれていました。
杉田成道(スギタ シゲミチ)さんは、愛知県豊橋市出身で、「北の国から」を手掛けた演出家として有名な方だそうです。
「あっ、立った・・・歩いた!」。
やっと満1歳になる娘。
「なんてかわいいんでしょう」と、母が頬ずりする。
だが、この家の場合は少し複雑だ。
問題は両親の年である。
父親は、当年とって73歳、すなわち僕である。
孫ではない、れっきとした娘であり、しかも4人目の子どもだ。
前妻をがんで亡くし、どういう訳か、57で30違いの女性と再婚することになり、
それはいいとしても、ボコボコボコっと3人も子どもがたて続けに生まれた。
仕事で多忙な妻に代わり、60にして保育園や幼稚園、小学受験やら中学受験、と怒涛の
波に翻弄され、10年立ってやっと一息ついたと思ったら、また生まれた。
72歳の子どもと言えば、徳川家康を軽く抜いて、上原謙も抜き、
チャップリンに次ぐという。
こうなるともう、博物館行きである。
一家そろってガラスの檻に入り、見物料でも取ってやろうか。
「さぁさ、お立ち会い。世にも奇妙な物語。事実は小説より奇なり」
「いいよなあ、おまえは人生を2回生きている」と、よく人に言われる。
冗談じゃない。想像していただきたい。
僕の年なら普通は孫だ。
「かわいい、かわいい、といっても、「2時間も抱けばもう無理だ。」
と、僕の同級生は異口同音に言う。
僕は、24時間これである。
無理だろうが、腰が痛かろうが、泣きたいのはこっちだと思おうが、やらなきゃならないのである。
そのうち体は粉々に砕け、空に散って跡形もなくなる、と思う。
「いいか、君たちが、20になるまで、どうひっくり返ったってお父さんは生きてない。
従って、親の責任など知ったことではない。
老齢の父を持った身の不幸と諦めて、勝手に生きてくれ」と、常々言うことにしている。
が、小学生はともかく中学生ともなると、もともとあなたの存在など気にしていません、
という顔をしている。
親の心子知らずとはよく言ったものである。
毎日がこうであるから、宇宙と生物について身近に考える。
赤ん坊を抱きながら「これが生成。おれが消滅」と、呟く。
すると生成するものがあるのは当然の摂理と思う。
生まれるものと消えるもの。
この間の人生。
ならば、消えゆく人生に向かって、あるがままに生きる。
何が起きようと、ただ、あるがままに・・・・。
「人生、なるようになる」。そう、思うことにしている。
以上です。
73歳で4人の子持ち。
それも4人目は満1歳の女の子。
大変ですね。
でも同情はしません。
だって、57歳で30違いの女性と再婚されれば、起こりうることですから。
まぁ、口では「親の責任など知ったことではない。
老齢の父を持った身の不幸と諦めて、勝手に生きてくれ」と言われていますが、
本心ではないと思います。
一番下の女の子が成人式を迎えられるまで、元気で長生きしていただきたいです。(笑)
徳永英明 -会いたい-