ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

異才ピアニスト、T原君とのリハーサルでした。

2013-04-03 01:28:01 | 音楽
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さて、3月最後の日、31日(日)は、先日から少しずつ発表している、異才ピアニストのT原君とのリハーサルでした。

今日は、アラディーンでもおなじみの、ヴァイオリンの瑞穂嬢が参加。

実は、T原くんの知り合いのヴァイオリニストでは、音の正確さ、リズム、どれも気に入らず、リハ後、断ったそうで、それならば、凄いヴァイオリニストを紹介するよ、

と言う流れで紹介しました。

結果は、T原君にとって大満足だったようで、1曲だけ参加予定が、ほぼ全曲参加になりました。

T原君の今回の新曲群は、難曲ばかりですが、さすが瑞穂嬢、「お、中々難しいですねー。」と初見で弾きこなしました(笑)

やはり、桐朋高校&音大ヴァイオリン科は、凄いですね。

今回は、変拍子の曲がお目見え。以前、T原君がデビュー時に既に書いていた物だったそうですが、その時には、アルバムの全体の雰囲気にはそぐわない為、外したそうですが、

8分の12拍子と、8分の16拍子が入れ替わる・・・、つまり3+3+3+3で進んでいる所が、3+3+3+3+4になり、また戻って・・・という面白い曲です。

私も、最近はトルコの現代スタイルを練習しているので、リズムのフレーズでの面からも、もっと面白くなるよう力を入れて頑張りたいと思います。

さて、リハが進むにつれ、様々生みの苦しみが生じて来ました。

つまり、ハイドンとか、ヘンデルとか、バリバリのドイツ西洋クラシック奏者の萩谷さんのアプローチが、私がダラブッカで入る曲では、中々定まらず、色々と話し合った末、

私が、中東の音楽理論である、リズムとメロディの関係、つまりイーカーとマカームは、実は非常に密接な関係で、リズム(イーカー)の重力にメロディが支配されている事を説明して、

「とりあえず、私の叩くリズムがメトロノームだと思って、それに合わせるように吹いて見て下さい。つまり、クラッシックで禁じられている事をやって見て下さい。」

と話すと、あ、そういう事なんだ、見たいになって、その後スムースに進んだり・・・、

と、私個人的にも、萩谷さんにも、作曲しているT原君にも、お互いに見えていない「壁」の存在を発見し、それを越えて、・・・、という事がありました。

自分もアラディーンを結成して始めたばかりの頃は、それぞれアラブ音楽の事をほとんど知らないメンバーが集まり、また、私個人も、完全な駆け出しだったので、色々とゴリゴリとやり合って来たのを思い出しました。

そういう風にやって来て、7年。今では、それまで起きた全ての経験が、素晴らしい知識になっているので、T原君の新しいプロジェクトに貢献できているようです。

7月にホールを借りての一発撮りレコーディングがあり、T原君も、かなり気合を入れて作品を作る意気込みなので、私も頑張りたいと思います。